エジプトに降臨した〝黒猫ファイヤー〟は魔女か 人気オンラインゲームを彷彿

2021年05月18日 11時39分

黒猫がお座りしたら発火した(レディットから)

 人気オンラインゲーム「魔法使いと黒猫のウィズ」のリアル版か!? 黒猫が近づいた途端、道端のゴミが発火し、みるみるうちに炎を上げ…という奇妙な動画を入手した。人類と猫の歴史が始まったエジプトで、町の監視カメラが偶然とらえたものとみられる。動画を見た人々は「猫に変身した魔女だ」「猫が魔法使いで、火の玉をほうった」などと不気味がっている。映像を独自検証した。

 問題の動画は今月1日、「黒猫」というタイトルで米巨大ネット掲示板「レディット」に投稿された。町の監視カメラ映像をモニター越しに撮影したもので、長さは1分40秒。

 モニター表示から、4月9日午後5時55分の監視カメラ映像と分かる。エジプト・カイロ在住と称する投稿者に確認したところ、エジプト国内で撮られたビデオだという。こんな不思議な映像だ。

 1匹の黒猫が画面右上から現れ、画面向かって左方向に歩いていると、白いガラビア(エジプトの民族衣装)姿の男性とすれ違う。黒猫はそのまま、建物の玄関階段伝いに歩き、ゴミが集められた建物の隅まで来てお座り。すると1秒もしないうちにゴミが突如発火する。黒猫は点火を見届けるかのようにすぐ、画面下方向へスタスタ逃げていく。

 近くでは、男性2人組が立ち話をしていたり、子供たちが遊び回っていたり、通行人の往来もあるが、炎がみるみるうちに上がっているのに、誰も気に留めない。1人の通行人男性が足を止めて騒ぎだすのは、黒猫が立ち去り1分以上たってからだ。

 この投稿には「オーマイガー! 猫に変身した魔女だ」「俺は悪魔の猫だと信じる」「猫が魔法使いで、火の玉をほうった説」というコメントが付いている。一方、懐疑的な人々は「どっかのバカが窓から火のついたたばこをポイ捨てしたんだろ」「たぶん誰かがたばこを投げ捨て、猫がクンクンしてたら火が上がったんだ」などと指摘。

 仮にゴミだめにたばこの燃えカスがあったとしても、黒猫がお座りした瞬間発火とは不可解だ。黒猫はゴミに近づいてお座りするだけで、ゴミに触れたり、ニオイをかぐしぐさをしているようにも見えない。

「白い服の男がポイ捨てしたたばこを猫が拾ったんだよ」という指摘もあるが、映像からは黒猫が何かをくわえてゴミだめに向かった様子を確認できない。ただ、その白いガラビア姿の男性が黒猫とすれ違った後、ポケットに突っ込んでいた左手を出し、まだそばにいる黒猫に何か振りかけるようなしぐさをしたのが気になる。もしこれが超常現象なら、黒猫に魔法をかけ、火をつけさせたのは白装束の男性か!?

 人類が猫と一緒に暮らし始めた最初の場所がエジプト。紀元前4000~5000年ごろには家畜として飼われ始め、はるか昔から大切にされてきた。次第に神格化され、有名な猫の神様「バステト神」は、太陽神ラーの目として人間の行いを見守り、時には罰する者とされていたようだ。このモチーフが黒猫。この古代エジプトで始まった猫神信仰は、ギリシャ神話を経由しヨーロッパに広がり、紆余曲折を経て中世の魔女信仰と結び付けられた。それが「黒猫=不吉」という都市伝説の起源という説がある。

 この黒猫動画には、「みんなどんだけ火に気付かないんだよ。ウケる」など地元民の無関心さに驚くコメントも目立つ。「こんな不審火がごく普通だからか、あるいは火自体存在しないのか?」という指摘もあるが、映像自体を加工し、炎をCG合成したようには見えない。

【魔法使いと黒猫のウィズ】モバイルゲームを提供する株式会社コロプラが2013年に配信を始めたロールプレーイングゲーム(RPG)。魔法使いの訓練生となるプレーヤーの「君」が大魔道士「ウィズ」の弟子となり、そのウィズが魔力を失い黒猫に変身してしまった中、「君」が修行と冒険の旅に出るというストーリーで進行する。豊富なクイズに正解することで精霊を召喚する形式が人気を呼び、「クイズRPG」というジャンルを開拓。17年に4000万ダウンロードを達成した。