「オリンピックは自殺行為だ」――。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長が先週、米CNNのインタビューに答えた発言が波紋を広げている。

 三木谷氏は「(五輪開催は)正直言って自殺行為だ。世界中から人が来る大きな国際大会を開催するのは非常に危険、リスクは非常に大きく今年開催するのに私は反対だ」と14日に話している。また、一昨日のツイッターで「国立競技場は大量接種会場に即刻すべきだ」としている。

 一方でソフトバンクグループの孫正義会長兼社長も三木谷氏同様に「厳しい状況下でどうやって選手派遣を各国が支援できるのかわからない」と東京五輪に関して大きな懸念を訴えている。相次ぐ財界大物からの「五輪反対」の発信に、白鷗大学の岡田晴恵教授は、17日のテレビ朝日系ワイドショー「モーニングショー」で、こう警鐘を鳴らしている。

「検疫で変異株を完璧にブロックするのは、難しいと言わざるを得ない」

 つまり、数万人規模で世界各国からやって来る選手や関係者にどんなに検査をしようが、ワクチンを接種していようが、新型コロナの変異ウイルスを完全にシャットアウトすることは、ほぼ不可能と断言しているのだ。

 インド株に代表される変異型ウイルスが、五輪とともに日本に入ってくる。それらが、さらなる変異を起こして新たな危険を生じる可能性がある以上、財界の大物が言うように、リスクは大きすぎるかもしれない。