日本医師会の中川俊男会長(69)が、先月20日に都内で行われた政治資金パーティーに発起人として参加していた問題で、某番組にまさかのクレームが殺到していた。

 新型コロナ禍で中川氏は国民の危機感や緊張感の欠如を指摘するなど、日本医師会会長という絶対的立場で厳しい批判を展開してきた人物。それが過去の言動を自ら否定する行為で、鬱憤をためにためた日本中の国民からの大ブーイングにさらされていた。

 それだけに中川氏が事実を認めて謝罪した12日は、各局がこの問題を大きく扱ったのだが…。

「中川氏の問題は前日に『文春オンライン』が報じたことで、この日の番組でも中川氏を追及する流れで決まっていました。うちの番組には新型コロナ問題で辛口コメントする医師コメンテーターA氏がいて、この日も中川氏の問題をバッサリ斬ってもらうはずだった。ところが番組が始まると、中川氏に批判的な流れのなかA氏は擁護発言を連発。これにはスタッフたちもズッコケでしたね」(テレビ関係者)

 中川氏の問題は、新型コロナ禍で我慢を強いられている国民にとって許せるものではなく、批判的な論調を展開することで共感を呼んで視聴率にもつながる。番組サイドとしては、いつもの辛口コメントでA氏に中川氏を一刀両断にしてもらいたかったところだが、期待外れどころか番組にクレームが殺到する事態に陥ったという。

 いったい、どうしていつものA氏の辛口発言が影を潜めてしまったのか?

「番組終了後、スタッフたちがA氏にどうして中川氏を擁護したのか問い正したところ、A氏は日本医師会の会員だと自白。さらに『医師会から学校診療の仕事を回してもらっているので、悪いことは言えない』と。いつもお世話になっているA氏を悪く言えないですが、日本医師会の無言のプレッシャーがあることを実感しましたね」(前出)

 普段は辛口のA氏をも黙らせるくらい、日本医師会の権力は絶大なようだ。