弁護士の野村修也氏(59)が9日、ツイッターでTBS系「サンデーモーニング」内での“大阪の死亡者数はインドより多い”とする報道に異論を唱えた。

 9日の「サンデーモーニング」では大阪の新型コロナによる死亡率がインドより高いとして、コメンターターとして出演した倉持仁医師は「大阪の死亡者数はインドより多い」などと発言。大阪が現在最も深刻なインドよりひどい状況であるという見解を示した。

 しかし、野村氏はこの発言に対し「日本人が目にしているのはインドの中でも感染が爆発している地域の映像。コロナの感染状況には地域差があるので、インド全体のコロナ死亡率は我々が目にする感染地域の死亡率より低くなる。従って、大阪の死亡率とインド全体の死亡率を単純に比べるのは、ミスリーディングだ」とし、インド全体と大阪を比較するのは意味がないとした。

 つまりインドでもコロナの感染拡大が広がっている地域とそうでもない地域があるため「インドでもコロナの患者さんが治療を受けるのは、その地域の病院。インド全体の病院で自由に受診できるわけではない。我々が映像で見ているインドの医療崩壊の現状は、その地域の感染率や死亡率とリンクしている。その数字と大阪の数字を比べないと、大阪は映像で見るインド以上にひどいと勘違いされる」とし、インドで最もひどい状況の地域の映像と大阪を比較し「大阪がインドよりひどい」とするのはミスリーディングというわけだ。

 この投稿に対し「大阪の状況軽視だ」といった批判的な声が寄せられているが、野村氏は「私の一連のツイートに対し大阪の感染状況を軽視しているとの批判が寄せられているが、そんなことは一度も呟いていません。大阪の状況は良く承知していますし、深刻に受け止めています。相手が言ってもいないのに勝手なレッテルを貼って、そのレッテルを批判することで相手を非難するのは止めて欲しい」と反論している。

 大阪の8日の死亡者数は41人。インドは全体で4187人。人口882万人の大阪に対し、人口14億人のインドでは、100万人あたりの死亡率では大阪が上回る。ただし、最も深刻な人口2500万人の大都市ニューデリーでは連日300人超が死亡。2人に1人が陽性とされている。