ロシアには「シベリア・イエティ」や「アルマス」など獣人型UMAが生息していると言われている。そんな〝ロシア版イエティ〟は、少数民族の伝説にも登場し、現代でもたびたび目撃証言が出ている。しかし、そのUMAが地元自治体による〝やらせ〟だったとして話題になっている。

 1997年から2018年までケメロヴォ州知事を務めたアマン・トゥレイエフ氏が先日、UMAファンの注目を地元に集めるため、「イエティの着ぐるみを着させた人をうろつかせていた」と告白したのだ。

 トゥレイエフ氏は同州の山岳地帯にいるとされるロシア版イエティの噂を利用し、「イエティの存在を証明できた人に賞金を出す」というキャンペーンを発表。イエティ探しと観光を兼ねて、旅行客が増加した。

 やがてキャンペーン効果が薄れ、観光客が減少。すると同氏は背の高い人を雇い、イエティの着ぐるみで山岳地帯をうろうろさせた。当然、目撃証言が増加し、観光客も増えた。〝やらせ〟だったわけだ。

 実は、まちおこしとUMAのやらせ問題は深く関わっているという。ロシアばかりではなく、米国でも同様の事件が起きていた。

 オカルト評論家の山口敏太郎氏はこう語る。
「アメリカの〝ブッシュモンキー事件〟がそうです。これも関係者が着ぐるみを着ていたんです。しかも、その街の宿泊施設から見やすい場所にしか出ない。その上、一定の人数が集まらないと出ないという笑えない状況が起きていたんです。つまり損益分岐点を突破しないと着ぐるみ要員がキープできないという事情があったんです」

 クリプトツーリズム(UMAによるまちおこし)といえば、ネッシーはネス湖周辺に年間60億円ほどの経済効果を及ぼしていたとされる。

 山口氏は「一説によると、ネッシーの正体はすでに判明していると言われていますが、あまりに地味な生物だったため、その正体を秘匿しているという説があるんです。UMAは未知であるがゆえにファンタジーが膨らむんです」と指摘している。