“紀州のドン・ファン”殺害容疑で逮捕! 元妻追いつめた「掃除機」と「家政婦証言」

2021年04月28日 11時30分

逮捕された須藤早貴容疑者と亡くなった野崎幸助さん

 2018年5月、和歌山県田辺市の資産家で“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さん(享年77)が変死した事件で、県警は28日、多量の覚醒剤を摂取させて殺害したとして、元妻の須藤早貴容疑者(25)を殺人の疑いで逮捕した。事件発覚から約3年。このまま、迷宮入りするかと思われたミステリーは一転、決着に向け動き始めた。

 野崎さんは2018年5月24日、自宅の寝室のソファに全裸で座り込んだ状態で亡くなっていた。遺体に不自然な点があり、警察が司法解剖を行った結果、体内から致死量を上回る覚醒剤成分を検出。県警は殺人容疑で捜査していた。

 野崎さんの名が世に知れ渡ったのは16年。50歳近く年下の愛人に6000万円相当の金品を盗まれた事件が発覚するなど、その成金ぶりが話題となり、自伝を出版した。「1日にセックス5回」などの性豪エピソードも注目を集めた。高級デートクラブに登録していた須藤容疑者とは18年2月に知り合い結婚したが、須藤容疑者は当初から、金目当ての結婚であることを明かしていた。

 犯行を巡っては、野崎さんに注射の痕などがなく、当時から遺体の第一発見者となった須藤容疑者と、家政婦のAさんの2人以外には考えられないという声がもっぱらだったが、地元関係者は「毒物カレー事件のこともあるからな。あれで警察はだいぶ批判もされとる。同じ轍は踏めんし、捜査は慎重にならざるを得んのやろうな」と話していた。

 県警は連日、2人を事情聴取。尿や毛髪の検査を行った。東京にある須藤容疑者やAさんの自宅を捜索し、野崎さんの自宅庭から、急死した愛犬の死骸を押収するなど、覚醒剤の痕跡を探し続けていた。事情に詳しい関係者の話。

「野崎さんは亡くなる直前、ビールの中瓶を口にしていた。捜査員は野崎さんが経営する酒販売会社に回収されていた瓶ビールの空き瓶2000本を回収して、一本一本詳細に調べていた。それだけではない。実は須藤容疑者とAさんに『掃除機はいつ、誰が買ったのか?』と執拗に聞いていたことがあったんです。どうも掃除機の中から覚醒剤反応が出たという情報もありましたからね。逮捕まで時間がかかったのは慎重に裏付け捜査を進めていたからですよ」

 同様に、野崎さんの知人もこう疑惑の目を向けていた。

「(須藤容疑者は)ずっとスマホいじってるし、仲なんてええわけないやん。野崎さんも亡くなる前、『家のこともまったく何もしないし、あの女はアカンな』って言うとったし。家の中には、あの2人しかおらんかったわけやん? 実はセキュリティーが甘かったって聞かされても、盗難で敏感になって、あれだけ防犯カメラあったら、外の人にはセキュリティーが甘いなんて分からんやん? 外部の犯行は考えにくいと思うで」

 ともに疑惑を抱かれていたAさんも犯罪心理学者の北芝健氏に対し「しゃべり過ぎ。『私は無実を話すんだから』って言ってたけど、つじつまの合わないことばっかりやから『しゃべるな』って怒ったんや。結局、バッシング浴びとるやろ。アホや。後で『すいませんでした』って電話かけてきたけどな。もう遅いわ」と須藤容疑者の言動に苦言を呈していた。

 約13億5000万円もの遺産があるといわれる野崎さんだが、親族が「全財産を市に寄付する」とした遺言書の無効確認を求めて係争中。金目当てとされた須藤容疑者にはいまだ、遺産は転がり込んではいなかった。

 捜査関係者によると、須藤容疑者は事件前にインターネットで覚醒剤について調べていたともいい、捜査本部のある田辺署に移送され、今後本格的な取り調べが進められる。真実は明らかになるのか――。 

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