俳優・稲垣吾郎(47)が主演する舞台「サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―」(23日~5月9日)の初日前公開ゲネプロが22日、東京・豊島区の東京建物Brillia HALLで行われた。

 稲垣が演じるのは18世紀、フランス革命の時代に実在した「死刑執行人」のシャルル―アンリ・サンソン。パリで4代目の死刑執行人で、熱心なカトリック教徒でありながら「死刑制度はなくさなければならない」という葛藤の中で職務をまっとうしていた。

 また、平等思想の観点からそれまでは貴族と平民で違いがあった死刑執行の方法を「誰にでも平等に苦痛を感じさせない死を」とギロチン(断頭台)の発明にも関わった人物でもある。

 稲垣は「久しぶりの新作舞台になり、良い緊張感で稽古を続けることができました。フランス革命期に実在した死刑執行人・サンソンは、僕がぜひ演じてみたいと思っていた人物でもあります。重い時代の中でも社会を良くするために職務に忠実に生きた、サンソンという人物を精一杯演じたいと思います」とコメントを寄せた。

 ここまで気合が入る理由の一つに、仲間である草なぎ剛(46)の存在がある。草彅は主演映画「ミッドナイトスワン」でトランスジェンダーの凪沙役を好演。ブルーリボン賞主演男優賞、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞などを受賞した。

 稲垣は草彅に対して「おめでとう。すごく刺激になるよ」と祝福の言葉を伝えた。草彅の活躍を喜ぶとともに「同じ俳優として負けてられないという気持ちも強くにじみ出ている」と芸能関係者は指摘する。

 鬼気迫るサンソンに注目だ。