上映不可能の香港に代わり日本から発信 香港と日本の合作ドキュメンタリー映画

2021年04月15日 11時30分

リモートで会見に出席した小林三四郎社長(上)とピーター・ヤム氏

 香港と日本で共同製作される映画「BlueIsland 憂鬱之島」のプロデューサーのピーター・ヤム氏と共同製作プロデューサーで配給会社太秦の小林三四郎社長(62)が先日、リモート会見を行った。

 この映画は中国の文化大革命、1960年代の香港の反植民地闘争、89年の天安門事件という、3つの時代を経験した実在する3人のドキュメンタリーとドラマを交え、香港の民主化運動を描いたもの。

 2020年6月の香港国家安全維持法施行後、中国は民主派抑圧を強化。香港紙創業者らが逮捕され、有罪判決を受けた。香港は激動期にある。

 小林社長は「香港の社会は私たちの想像を超えるスピードで大きく変化している。自由の世界が狭められているという現実を私たちは目の当たりにしました」と指摘。現状では、香港での上映は不可能に近いため「ミニシアターを多く抱える日本で上映し、日本がこの作品の世界展開のハブの役目を担いたいと思っています」(同)。

 香港からリモートで会見に出席したヤム氏は「国家安全維持法で何が変わったか」の質問に「非常にデリケートな問題。ここで詳しくみなさんと状況を共有することは難しいと思います」と言葉を濁した。

 それでも、14年の香港大規模民主化デモ「雨傘運動」について、ヤム氏はこう話した。

「香港というところに自由に対するある種の憧れが定着していると思う。香港には基本法というものがあって、その中にも選挙制度を含めて、ある種の約束が書き込まれている。(中国政府が香港行政長官選挙を巡って民主派の立候補者を排除する選挙方法を決定したことを)今の若い世代が受け入れることはできないと思うようになるのは、ごく自然なこと。自分たち、社会のために声を上げていく。若者が行動に出るのは自然な成り行きだと思う」

 作品は今年秋、東京・渋谷ユーロスペースで公開予定だ。

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