自立式ソーラーカーの公道走行距離の日本記録が大幅に塗り替えられた。従来は2800キロだったが先月末、NSX―ES1によって、3809キロの新記録が達成された。自立式ソーラーカーとは外部コンセント等のエネルギーを一切利用せず、太陽エネルギーと人の力だけで進み続ける電気自動車のこと。製作したのはスーパーミニマムチャレンジチームの近兼拓史代表兼ライダーで、新記録達成により「電気自動車は航続距離が短い」という定説を覆し、公道用のソーラーカーの実用性を実証した。無限の距離を燃料代0円で走れることになる。

 今回の日本縦断チャレンジでは、公道走行での実用性を証明するために、あえてソーラーカーにとって厳しい季節とルートを設定した。昨年10月6日、日本本土最東端である北海道の納沙布岬をスタートし、最北端の宗谷岬を経由して北海道を走破。東北、関東、箱根の峠越え、雪の鈴鹿峠を越え、関西、中国と走破し、関門海峡は、海底の地下トンネルを手で押して横断した。

 福岡を経由して最西端の長崎県神崎鼻に到達。そこから南下して3月26日、最南端鹿児島県佐多岬にゴールした。途中、緊急事態宣言への配慮などで計45日の遅れが発生している。

 近兼氏は「燃料代0円、環境負荷0で日本縦断するゼロゼロ・エミッションが成功できたことがうれしいですね。ソーラーカーにとって、最も厳しい真冬の北海道、東北を走破し難所の箱根峠越えや、雪の積もった鈴鹿峠も越えることができました。これで日本中どこでも、どんな天気でも走れる実用性があると証明できたと思います」。

 成功のカギは車体の軽量化。重量は48キロだ。

「ソーラーの弱い力でも走れるためには徹底的な軽量化が必要でした。実用化の実証はできましたので次は量産化。メーカーや投資家の皆さん、連絡待ってます(笑い)」

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