韓国・文在寅大統領 市長選惨敗で退任後の「収監コース」現実味

2021年04月08日 11時45分

文大統領には地獄が待っている?(ロイター)

 韓国で7日、来年3月の次期大統領選の前哨戦と位置付けられる首都ソウルと南部釜山の市長選が行われ、革新系与党「共に民主党」の候補は両市で保守系最大野党「国民の力」の候補に敗れた。いずれの市長選も両党候補の事実上の一騎打ちで、文在寅政権に逆風が吹いた形だ。このままだと次の大統領選も野党候補が勝ちそうだ。そうなると、文大統領も歴代の大統領のように退任後に逮捕確実だろう。

 不動産価格高騰などへの不満から、政権と革新系与党「共に民主党」への批判が強まっていた。ソウルで18ポイント、釜山では28ポイントも「国民の力」の候補が「共に民主党」の候補を上回った。

 任期終盤の文大統領は求心力を失い、政権がレームダック(死に体)化。次期大統領選でも野党側が勢いづきそうだ。

 公務員らによる不動産不正取得問題も背景に、文氏の支持率は就任後最低の30%台前半まで低下。野党側は政権批判票を取り込もうと文政権の不動産政策や外交を批判してきた。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「ソウル市長は次期大統領の最短コースと言われています。与党の朴映宣(パク・ヨンソン)候補が呉世勲(オ・セフン)候補に惨敗したので、ただでさえ支持率低下が止まらない文在寅政権にとってはトドメの一撃となりました」

 今回はダブル選挙だが、ソウル・釜山ともに前職のセクハラ・スキャンダルで空席になっての再・補欠選挙というところも、国民をしらけさせている要因だろう。

「前ソウル市長の朴元淳(パク・ウォンスン)氏は元秘書を名乗る女性からセクハラ告発され、自殺しています。韓国のセクハラは典型的なパワハラ型で、上司から部下、教師から生徒、牧師から信徒といった感じで、立場の強い者が弱い者に仕掛けるのが特徴です。私はこれを韓国の“セクハラ儒教主義”と呼んでいます」と但馬氏。

 朴候補にしても、国会議員として日本製品ボイコットを扇動しながら、夫が東京の赤坂に高級マンションを所有していることが発覚して、釈明に追われていた。

「朴候補が公的な場で着ていた服が日本ブランドだったことも呉陣営から突っ込まれていました。こういう、いい加減さ、“ケンチャナヨ(ま、いっか)”精神も実に韓国的といえます。まあ、要するにセコさばかりが目立つ選挙ということです」(同)

 とはいえ、文大統領にとっては、気が気でないだろう。

 但馬氏は「ソウル市長の座を野党に譲るということは、次期大統領も野党に渡すことを意味します。となれば、歴代大統領の末路を彼もまた歩むということです。おそらくは土地投機問題に絡んでの逮捕が待っているでしょう。李明博、朴槿恵は現在、監獄にいますが、文大統領もそれに加わる可能性は大でしょう」と指摘している。

 任期が残り1年余りとなった文大統領は、住宅価格の高騰と不動産スキャンダルへの対応で後手に回り、外交でも北朝鮮の東京五輪不参加表明で最優先課題とした南北対話再開の実現が絶望的になった。東京五輪での南北接触をにらみ日本にも融和姿勢を見せたが対日関係も行き詰まっている。任期中に人気回復の手は残っていない。

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