先週末の米人気コメディーバラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に英黒人俳優ダニエル・カルーヤ(32)がゲスト司会者として登場。ヘンリー王子&メーガン妃による独占インタビューでの発言を引用し、英王室を皮肉った。

 米FOXニュースによると、カルーヤは番組冒頭のオープニングトークで「まず、皆さんは私の(英語の)アクセントを聞いて『彼は黒人じゃない。英国人だ』って思ったでしょう。でもね、私は黒人なんですよ。黒人で英国人。王室がどんな(肌の色の)赤ちゃんが生まれてくるのか心配してたのが、私のような人なんです」とジョークを飛ばした。

 ヘンリー王子夫妻は先月、米司会者オプラ・ウィンフリーとのインタビューで、黒人の母を持つメーガン妃が長男アーチー君を妊娠中、生まれてくる子供の肌の色について、英王室メンバーが人種差別的な発言をしたと訴え、大きな波紋を呼んだ。

 また、カルーヤは英国での人種差別について、「あまりにひどすぎて、白人が出て行った」と笑いを誘い、「彼らは独自の人種差別を構築するための自由が欲しかった。だから、オーストラリア、南アフリカ、そしてボストンを作ったんだ」と冗談を交えて指摘した。

 カルーヤの言うオーストラリアとは白豪主義と呼ばれた過去の人種差別政策を指し、南アとは1994年に撤廃されたアパルトヘイト(人種隔離政策)。ボストンとは「ボストン茶会事件」がきっかけで独立し、黒人奴隷制度を作った米国のことだ。

 カルーヤはハリウッドで今、最も注目を集める俳優の一人。

 黒人と白人の対立と共存をテーマにしたサスペンス・ホラー作品「ゲット・アウト」(2017年)ではアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、伝記映画「ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア」では今年、ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した。