スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(18)の銅像をキャンパス内に建立した英南部ウィンチェスター大に対し、学生らから怒りの声が上がっている。

 同大によると、世界に〝感動を与えた〟グレタさんの銅像は等身大のものとしては世界初。建設費用は2万3760ポンド(約360万円)だったとしている。

 これに同大の学生自治会はグレタさんの功績を評価しながらも、「コロナ禍のこの時期、多くの学生はキャンパスに通うこともかなわず、オンラインで勉強するものの、経済的支援を必要としている」と指摘。「銅像を建てるような財源があれば学生支援のために使われるべきだ」と訴えた。

 英BBCの取材に、大学側は銅像建立が学生支援制度などから支出されたものではないと強調。2019年に決定した大学の新施設建設計画の予算5000万ポンド(約76億円)の中から計上されたもので、銅像は新施設の前に建てられたと説明した。

 また、大学側はグレタさんの地球温暖化防止に向けた取り組みを高く評価。「サステナビリティー(持続可能性)と社会正義」への取り組みをたたえるために銅像を建立したとしている。