1992年バルセロナ五輪柔道71キロ級金メダリストの古賀稔彦氏が24日朝に53歳で亡くなったことを受け、同五輪男子マラソン8位の谷口浩美氏(60)が当時の思い出を語った。

 谷口氏といえばバルセロナ五輪の男子マラソンで転倒し、ゴール後に「コケちゃいました」の名言を吐いたことで有名。この言葉で一躍、時の人となった。古賀さんの訃報をニュースで知ったという谷口氏は「僕らはSNSなどなかった武士道の時代。そこで戦った同世代として、とても残念です」と悼んだ。

 2人は共に日体大出身だが、当時は競技を超えた交流が乏しく面識はない。しかし、バルセロナ五輪でケガをしながら金メダルを獲得した古賀さんの雄姿は今も脳裏に焼き付いているという。

「五輪では柔道が前半、マラソンは最後。だから接点はなかった。僕らは古賀さんが金メダルを取ったのを見て、現地に乗り込みました。日本の先陣を切って獲得したあの金メダルは光っていましたね。その勢いで次は自分たちが頑張ろうって思っていました」

 谷口氏は来月中旬に宮崎県で聖火ランナーを務める予定。同10日に佐賀を走るはずだった古賀さんの分まで、バルセロナで実現できなかった“金のリレー”を果たす。