出場資格が芸歴10年以下に変更された、ピン芸人日本一を決める「R―1グランプリ2021」(フジテレビ系、7日放送)の世帯平均視聴率が8日、6・6%だったことが分かった。生放送で制作側のミスが頻発し、初の司会を務めた広瀬アリスが謝罪する騒動に発展。誰も得しない大会に存在意義が問われている。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)


 今年は出場資格が芸歴10年目以下に変更され、「R―1グランプリ」と昨年までのひらがなからカタカナ表記に。さらに、ツイッターを用いた視聴者投票など新たな審査方法が取り入れられた。

 ただ、冒頭からのグダグダ進行に視聴者から批判が続出。1人目のマツモトクラブのネタが終了し、集計結果の発表となるはずが、司会の広瀬が持っていたタブレット端末が接続不良などでフリーズ。「(得点が)出ておりません!」と困惑しながら絶叫した。

 目玉のツイッター投票が足を引っ張り、3人目の土屋の際にも広瀬が「投票が多くて、止まっているんですよ!」と悲鳴を上げる事態に。SNS上では「進行がぐだぐだ過ぎる」などと批判の渦が巻き起こった。

 お笑い芸人からも批判が噴出。有吉弘行は、同日放送のラジオ番組で、R―1テーマソングであるヒップホップユニット「Creepy Nuts」が手がけた楽曲「バレる!」を〝多重使用〟を酷評。「曲作ってもらったからいっぱい使おうと思って、それがもうダサすぎて…」「スタッフも10年以下なのかな…」とあきれた。

 もっとも大会当事者からも不満が。出場資格の変更で出場できなくなったおいでやす小田は、控室のレポーターとして登場。しかし、タイムスケジュールの問題で中盤から出番がなくなり、終盤に「俺、いらんやろ!」とキレ気味に叫んだ。

 お笑い関係者は「ネット上では出演したピン芸人たちに『面白くない』『つまらない』などの声が浴びせられてますが、制作サイドの問題ですよ。あんなグダグダな進行で、笑わせることの方が難しい」と語る。

 関東では、R―1は昨年まで4年連続で世帯視聴率は1ケタに低迷しており、芸歴10年以内に出場条件を変更したことは「〝第7世代〟ら若手の挑戦を活性化させ、視聴率につなげたい狙いがあった」(フジ関係者)という。

 ただ、結果的にずさんな制作が露呈し、若手芸人たちが早くも来年のR―1出場に尻込みする状況が生まれている。

 結局、優勝したのはゆりやんレトリィバァ(30)だった。平成生まれの〝第7世代〟の一員であるゆりやん優勝で万々歳か…と思いきや、そうでもないとか。

「テレビ局サイドも、今年は世間的に知られていない『新世代のスター』を輩出させることを目標にしていたのですが、知名度のあるゆりやんが優勝した。無名の若手芸人たちは『無理か…』というムードになってしまっている」(前出のお笑い関係者)

 司会の広瀬にまで批判の火の粉が飛び、広瀬はツイッターで「自分の実力不足だったと反省しております…本当にすみません……」と謝罪に追い込まれてしまった。

「ほとんど誰も得しない大会になってしまった。司会を引き受けてくれる女優さんもいなくなり、参加する芸人もさらに減ってしまうかもしれない」とフジ関係者。

 今年のR―1グランプリも存在意義が問われる大会になってしまったようだ。