政府・自民党とNHKとの関係性についてのニュースがにぎやかだ。

 NHKは先月、「クローズアップ現代+」(総合、火曜~木曜午後10時)を担当する武田真一アナウンサー(53)が3月で降板。新年度から大阪局へ異動すると発表した。一部週刊誌では、武田アナが自民党の二階俊博幹事長へ行ったインタビューが不興を買い、同局の“忖度”によって異動に追い込まれたなどと報じられた。

 また、菅首相の長男・正剛氏らによる総務省の接待問題をめぐって、正剛氏らと会食した同省幹部らが、NHK幹部職員とも会食した可能性が国会で指摘されている。大阪局の角(かど)英夫理事・大阪拠点放送局長は4日の局長定例会見で、武田アナの異動について「武田アナが大阪で勤務することは(大阪局の)機能強化の一連の流れに大きな役割を果たしてくれると考えている」と説明し、忖度報道については「ご指摘のような事実は全くございません」と明確に否定した。

 一方、総務省との関係性については歯切れが悪かった。「国会で(前田晃伸)会長が『公共放送に携わる者として、自覚をもって適切に対応している』と答えておられる。まさにそれに尽きると考えている」とかわし、大阪局幹部と総務省の出先機関との会合などの調査についても慎重な姿勢を崩さなかった。

 この日、立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が「国家公務員倫理法ができてから、どのように厳しくなったかは分からない」とした上で、自身はTBS時代に総務省との会食に立ち会ったことがあると告白。総務省とテレビ局とのズブズブの関係にネット上で批判の声が集まっている。

 NHK関係者は「後で領収書が出てきて、総務省みたいに言い訳ばかりすることにならなければいいのだが…」と話している。