4日告示の千葉県知事選(21日投開票)に異色の候補者が出現した。「千葉県全体を夢と魔法の国にする党」と政党名と公約をリンクさせたのは、ユーチューバーで実業家の河合悠祐(ゆうすけ)氏(40)だ。顔面にペイントした“ピエロ”に扮し、選挙戦に臨む元芸人かつ京大卒の超インテリ・ユーチューバーは、本気かネタなのか? 河合氏を直撃した。

 ――千葉県庁での記者会見で、「千葉県全体を夢と魔法の国にする」と表明し、度肝を抜かせた

 河合氏 日本は少子化が進んで高齢化で年金を払う人がいなくなる。50年くらいは持つかもしれないが、100年後は崩壊する。千葉はどうするのか? 東京の人が千葉に出掛けるイメージはないが、東京ディズニーランドだけは別。県全体をラスベガスやマカオみたいにエンターテインメントの特色を出すくらいのカンフル剤を打たないと千葉の税収は劇的に上がらない。

 ――具体的には

 河合氏 まだ日本にないテーマパークを誘致したい。九十九里浜のみならず外房全体をテーマパーク的な「シー」にしたい。ゴミも「星のかけら」と呼びたい。月・水・金は燃える星のかけら、火・木・土は燃えない星のかけらみたいな。暴走族やヤンチャな人たちもピエール瀧さんから(瀧をとって)「ピエール」とかわいい呼び方をしたい。600万人の県民が、身近なところから呼び方を変えることで、エンタメ色を出すマインドに変えていきたい。

 ――自らもピエロに扮した

 河合氏 選挙期間中、候補者はある意味、政治家みたいな扱いになる。マリオがスターを取って、無双状態になるのと同じで、普段の僕とは違う人間になれる。ピエロはダークヒーロー的で、大衆からの支持を受けるイメージがあった。

 ――政治を志したのは

 河合氏 昨年の都知事選で立花(孝志)さんや後藤(輝樹)さん、スーパークレイジー君が選挙を盛り上げた。こんな自由な表現をしてもいいものかと。自分も知名度を上げたい思いで、顔見せ的な意味合いはあるが、今回の知事選は熊谷俊人前千葉市長(注・辞職は3日付)の当選がほぼ見えていて、デキレースみたいになっている。紅白をやっている裏番組で、ダウンタウンがむちゃくちゃしているように、イロモノ候補がかき回して、注目を集め、投票率が少しでも上がればいい。

 ――芸人だった

 河合氏 3年前に会社を辞めて、独立するかしないかの時に「右肩上がり」のコンビ名で漫才をしていました。事務所(ワタナベエンターテインメント)所属になったけれども、すぐにテレビに出られるわけでもなく、解散しました。これからはユーチューブでやっていこうかと。

 ――政見放送は

 河合氏 ひたすら真面目な政策を語ろうかな…というハズがないでしょ。完全にウケ狙いで行く。僕が真面目に話しても誰からのニーズもないですからね。よくできたネタというのを見せたい。

 ――選挙活動は

 河合氏 街頭演説は千葉県外でもできるので、秋葉原や渋谷でも行いたい。東京ディズニーランドのある舞浜駅前でエレクトリカルパレードみたいに体に電飾を巻き付けて、活動しようかと思っています(笑い)。

☆かわい・ゆうすけ 1981年京都府生まれ。京都大学総合人間学部卒。同志社大学大学院司法研究科卒。法律事務所やIT企業勤務を経て、独立。人材派遣、婚活パーティーを主催する傍ら、芸人として活動した時期も。ユーチューブ公式チャンネル「KAWAPAの河合チャンネル」で政治活動の情報発信中。