NHK受信料を支払わない方法を教える党(NHK党)の立花孝志党首(53)は26日、国会内で会見し、衆院北海道2区補選(4月25日投開票)に元NHK集金人で、動画配信者の斉藤忠行氏(29)の擁立を決定した。

 NHK党らしい急展開での擁立劇だ。この日、党役員会で北海道2区に候補者擁立の方針を固めていた。その後、開いた定例会見に斉藤氏が参加しているのを立花氏が気付くや、「斉藤さんに立候補していただけないか?」と要請。斉藤氏がその場で快諾し、公認が内定してしまった。

 斉藤氏はNHKが集金業務等を委託している「エヌリンクス」の元社員。いわゆるNHK集金人だったが、1年8か月の勤務を経て、退社。先日、その集金活動や業務のずさんな実態をユーチューブ上で、内部告発し、エヌリンクスを相手取って、民事でも訴えている。

 立花氏は「斉藤さんは重要な告発をされている。エヌリンクスの弁護士法違反の問題や詐欺事件で、実名まで挙げている。補選に出て、ぜひ実情を訴えてもらいたい」と依頼。斉藤氏も「これまで選挙は出たことはありませんし、北海道ともゆかりはないが…」と驚きの様子だったが「(NHK集金活動の)やり口を多くの方に知ってもらいたい」と呼応した。
 
 吉川貴盛元農水相の議員辞職に伴う北海道2区補選は、自民、公明党が候補者の擁立見送りを決定。立憲民主党は松木謙公氏の擁立を決めているほか、共産党や日本維新の会なども候補者を擁立する方向だ。