東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長候補として橋本聖子五輪相(56)に一本化されたことは、菅政権にとって〝もろ刃〟になるかもしれない。

 というのも、国務大臣は公益法人の役職の兼職を禁止されているからだ。橋本氏が組織委の会長に決まれば、五輪相から降りる必要が出てくる。

「さらに、五輪憲章では政治的中立性がうたわれています。となると議員辞職も迫られる可能性がある。さらに退路を断って新会長に就任しても五輪そのものが新型コロナで中止となれば、橋本氏は政治家から一転、無職になってしまう。橋本氏にとっては人生を左右する難しい決断になりそうです」とは永田町関係者。

 もともと橋本氏に一本化されたのは、首相官邸の強い意向が働いたという話がもっぱら。菅義偉首相が求める「女性」「若さ」「元アスリート」に橋本氏はもってこいだからだ。

 だが、もし議員辞職となった場合、支持率がダダ下がりの菅政権にとって、議席を失う可能性も出てくる。菅首相の希望が通っても、もろ刃と言えるだろう。

「最大のハードルは世論です。特に日本スケート連盟会長時代にフィギュアスケートの代表選手だった高橋大輔にキスしたセクハラ、パワハラ疑惑は消せない過去。橋本氏の新会長指名を強行すれば、関係各所に抗議が殺到することも考えられます」(同関係者)

 当の橋本氏は“一本化報道”を受け「分からない。連絡が何もないので」と答えた。

 外堀を埋められてしまった橋本氏。そう簡単に断ることはできず、その心境は「行くも地獄退くも地獄」といったところか。