下ネタだけじゃない、厳しい師匠の教えとは? 「公益社団法人落語芸術協会 真打昇進披露記者会見」が15日、都内で行われ、新真打の三遊亭小笑(40)、春風亭昇々(36)、春風亭昇吉(41)、笑福亭羽光(48)の4人がお披露目された。

 羽光の師匠・笑福亭鶴光(73)も出席し、「上方落語史上、初めて新作派の真打が誕生したことになるんです。これは歴史を塗り替えますね」と弟子に期待を寄せた。

 報道陣から「(下ネタを得意とする)羽光さんに伝えたい下ネタの極意は」と問われた鶴光は「本人がスケベェじゃないこと。下ネタの中にも品というものがあります。これが本当のスケベェになると品がなくなってしまうので、そうならないように私は気を付けています」とちゃめっけたっぷりに語った。

 羽光は「今の言葉は初めて聞きました。ぼくも妻も子もおりますんで、品のある下ネタをやっていきたいと思います。TPOをわきまえた、いい大人なので安心してくだい」と笑わせた。

 そんな羽光は、お笑い芸人と漫画原作者として活動するも挫折し34歳で鶴光に弟子入りした苦労人。「ボロボロで、何もなかった僕を拾ってくれて育ててくれた師匠に感謝します」

 鶴光には、師匠である故笑福亭松鶴さんから受け継いだ厳しい教育方針があった。「最後の砦で噺家に入ってくるっていうのは、ロクなもんがいない。でも根性だけはあった。ぼくは絶対、弟子を褒めないんです。弟子を褒めたら絶対にダメ」といつになく真剣な表情で切り出した。

 続けて「先輩弟子に『アイツ、最近ようなってきてるで』と言うて、それが回って本人の耳に入って『師匠がホメてくれてるんだな』と分からす教育を六代目松鶴に教えられた。ホメんと、とにかくけなす。けなしても上がってくる奴を上げるというやり方」。

 厳しい教育に耐え抜いて、晴れて真打ちとなった羽光の今後に期待したいところだ。