女性蔑視発言を巡って世界中からバッシングを浴びていた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が11日、ついに辞任の意向を固めた。

 自らの失言で墓穴を掘った形だが、まるで20年前の再現を見ているようだ。2000年4月に首相に就任した森会長は「日本は天皇を中心としている神の国」「無党派は寝てくれれば」など数々の失言を繰り返し、同年11月に自民党・加藤紘一らによる倒閣運動、いわゆる「加藤の乱」が勃発。内閣支持率は8%まで低下し、01年4月に退任を余儀なくされた。

 今回は7年間トップに就いたが、かねての〝失言癖〟は治らず、3日の日本オリンピック委員会(JOC)評議員会で「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」と発言。これが引き金となって20年ぶり2度目の〝森降ろし〟による退任となった。

 ちなみに、森辞任の決定打として、多くの関係者は東京都の小池百合子知事(68)のボイコットを挙げる。小池知事は森会長のバッシングが最高潮に達した10日、IOCのトーマス・バッハ会長(67)、橋本聖子五輪相(56)、森会長との4者会談の欠席を明言。政局をも読み切ったと絶妙な判断がとどめの一撃となった。森会長にとって、今回は「加藤の乱」ならぬ「小池の乱」に遭ったということか。