ジャーナリストの大谷昭宏氏(75)が4日、朝日放送「キャスト」に出演。「週刊文春」が、衛星放送事業を手掛ける「東北新社」に勤務する菅義偉首相の長男が、同事業の許認可をする総務省の幹部を接待していたと報道した件について言及した。

 週刊文春の報道によると、総務省の幹部4人が昨年10~12月に都内の料亭などで長男を含む東北新社幹部から接待を受け、帰りにタクシーチケットや手土産を受け取ったという。この日の衆院予算委員会では、4人のうちの一人である秋本芳徳情報流通行政局長が答弁に立ち、会食の事実を認めた。

 大谷氏は「疑惑の腐った臭いがプンプンじゃないですか」と切り出し「大変失礼な言い方をすれば、東北新社って我々業界(の人間)ならちょっとは知ってますよ。でも大変失礼ですが、この程度の規模の会社が、いきなり総務省のナンバー2を接待できるというのは、我々の常識からすれば、基本的にあり得ないですよ。じゃあ、そこに菅総理の息子さんがいなかったら、会いましたか?」と一刀両断。

 さらに、この日の同委員会で菅首相は「総務省で事実関係を確認し、ルールにのっとって対応してほしい」とし、接待は把握していないとしているが「総理大臣と長男じゃなくても、普通の家庭だって、週刊文春にこれだけ大きく出てるわけですよ。そしたら親は息子さんに『おい、こんなの出てるけど、お前どうなんだ?』って聞くのが普通でしょうが。しかも、前の日には質問通告してるわけです。それで『聞いてない』と。いい加減なこと言うなって」と厳しく指摘した。

 安倍晋三前首相について「へんちくりんなことを確かにいっぱいやってたと思う」とした大谷氏は「菅さんはどうしても利害、お金が絡んでる」と対比し分析。「やってることが薄汚いんですよ」と顔をしかめた。