スキャンダル対応は今年、大きく様変わりしそうだ。人気タレントなどの有名人はここ数年、不倫などの問題を起こすと謝罪会見を開いて頭を下げ、これをミソギとして復帰する、という流れが王道だった。しかし昨年末、“多目的トイレ不倫騒動”で活動自粛した「アンジャッシュ」渡部建(48)の謝罪会見は大失敗に終わり、復帰まで長い道のりだ。これには業界全体が戦々恐々。謝罪会見は“絶滅”する!?

 昨年末のこととはいえ、渡部の謝罪会見の惨状は、まだ記憶に新しいだろう。大みそかに放送されたバラエティー特番「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス24時!」(日本テレビ系)の収録に参加したと報じられたが、会見で渡部はそれを明言できなかったため大紛糾。そのうえ、番組出演シーンはカットされてしまい、会見の“やり損”となってしまった。

「大失敗会見のせいで、逆に復帰は遠のいてしまった。紛糾の原因となったのは、番組収録に参加したかどうかハッキリ言わなかったから。番組サイドからの指示があったことは間違いなく、おわびとして毎年末に発売されるDVDの特典映像に出演するのでは?とも言われている」(テレビ局関係者)

 本紙は渡部が舞台前座で復帰し、早ければ5月の「行列のできる法律相談所」(日テレ系)で復帰と報じたばかり。

 渡部自身は会見に乗り気ではなかったと言われるが、こうなることを予感していたのだろう。ただ会見失敗の影響はあまりにも大きく、芸能界のみならず日本中のあらゆる業界に広がっている。
「渡部の一件以降、謝罪会見をやってもリスクばかりが大きく、メリットは何一つないという認識を持つ人が急激に増えました。薬物などの刑事事件はともかく、不倫など個人的なことに関しては特にそうですね。芸能リポーターに一気呵成に責め立てられ、必死に謝罪する姿を見せないと世間を納得させられない。少しでも対応を間違えると、渡部のように謝罪のかいもなく再びバッシングされてしまう。これでは誰もやりたがらないですよ」(PR会社関係者)

 実際に最近は“謝罪会見回避”の流れができつつある。

 不倫騒動で昨年末まで活動停止処分を受けていた、競泳男子東京五輪代表の瀬戸大也は、コメントを文書で発表するも謝罪会見は開かないまま、4日開幕の「ジャパン・オープン」(東京アクアティクスセンター)で復帰することが決まった。

 また先日、週刊文春に4年ぶりの不倫が報じられた歌舞伎役者・中村芝翫も会見はしなかった。

 前回は妻の三田寛子が報道陣の前に現れ、取材に誠実に対応して「梨園の妻のかがみ」と絶賛されるほど、見事な火消し役を務めたが、今回は現時点で何もアクションを起こしていない。

 さらに親密男性がコカイン使用で逮捕されたことが判明したゆきぽよこと木村有希も、第一報を報じた週刊文春のインタビューに応じ、公式サイトで謝罪&説明。さらに1月24日の「サンデー・ジャポン」(TBS系)にVTR出演して釈明したが、会見を開く予定はない。聞かれたくないことまで突っ込まれる会見よりも、自分の言い分を使ってもらえる形を選んでいるのだ。

「いまは新型コロナが感染拡大しており、会見を開かない理由にもなる。会見で不倫について事細かく説明させられるぐらいならば、文書でサッと終わらせる方を選ぶ人が増えるのも当たり前」(芸能プロ関係者)

 やらないことで何を言われようが、やって炎上するよりは全然マシ――まさに逃げるは恥だが役に立つ、ということか。