22日に86歳で死去したメジャーリーグ通算755本塁打のハンク・アーロンさんを惜しむ声は、日本からも次々と発せられた。一番の盟友と言える王貞治・ソフトバンク球団会長(80)を巡っては、親密な関係で知られる王氏と自民党・二階俊博幹事長(81)との“接点”になっていた。

 昨年末、菅義偉首相らによる「高級ステーキ会食」に参加し、批判も浴びた王、二階の両氏。この会食の主催者は二階氏だったとされる。2人は昨年7月にも安倍晋三首相(当時)らとステーキ会食。これも二階氏が呼びかけたといわれ、王氏は報道陣に「30年来の付き合いで声をかけてもらった」と語っている。

 約30年前といえば、王氏とアーロンさんが実現に協力した世界少年野球の第1回大会が1990年7~8月に米ロサンゼルスで開催されている。同じ90年7月、当時運輸政務次官だった二階氏も国際会議のため渡米。二階氏ホームページなどの過去記述によると、アトランタで面会した知人から後日、同地の英雄アーロンさんのユニホームを贈られた。

 これを地元和歌山で展示するにあたり、「日本のホームラン王のユニホームも」ということになり、王氏に打診したところ快諾されたという。

 王氏にとって世界少年野球はライフワーク。和歌山では2002年、12年(三重、奈良との3県開催)に行われている。王氏は世界少年野球推進財団の理事長として二階氏のもとを訪れることもあり、02年に二階氏の出身地御坊市を訪問した時は、二階事務所での歓迎会に約400人が出席するなどのフィーバーぶりが地元メディアで伝えられた。

 歓迎会で王氏は「二階先生の(世界少年野球への)支持の強さというものを、改めて、感じさせていただいております」と述べている。

 昨年末のステーキ会食は「大人数」「高齢」などからやり玉に挙げられた。王氏としては、二階氏の声かけとあれば断れなかったに違いない。