吉川貴盛元農水相(70)の辞職に伴う衆院北海道2区補欠選挙(4月13日告示、25日投開票)に向け、各党が水面下で駆け引きを繰り広げている。自民党が公認候補の擁立を断念したことで、無風選挙となる公算だったが、一転して代理戦に様変わりしそうな気配となってきた。

 アキタフーズを巡る収賄事件で吉川氏が在宅起訴されたことを受け、自民党は候補者の擁立を見送った。立憲民主党は松木謙公氏(61)、共産党は平岡大介氏(31)の擁立に動いている。

 立民は松木氏を野党統一候補として調整しているが、日本維新の会所属で、北海道を地盤とする地域政党・新党大地代表の鈴木宗男参院議員(72)は、自らの出馬も含め、独自候補の擁立を訴えている。

 各党の思惑が渦巻く中で、急浮上しているのが「NHKから自国民を守る党」幹事長で、政治団体「日本ゴルフ党」党首の上杉隆氏(52)だ。

「吉川氏の長男が道議を務めていて、後継候補になるが、事件の後でさすがに出られない。ただ、地元では誰か出すべきとの声が大きく、取りざたされているのが上杉氏。吉川氏は故鳩山邦夫元法相の秘書出身で、上杉氏は秘書の後輩に当たる。上杉氏は宗男氏とも親交が深く、地元テレビ局でレギュラー出演していたこともあり、知名度も高い」(永田町関係者)

 上杉氏が無所属で立候補すれば、自民、公明、維新、N国が相乗りし“与党系統一候補”となる可能性もある。

 上杉氏は19日、本紙取材に出馬を明言しなかったが「政党の争いうんぬんではなく、野党統一候補の一つだけしか選択肢がないのはどうなのか」と話した。

 N国党の立花孝志党首(53)は「上杉幹事長か新藤を出したい」と話しており“ゆづか姫”こと新藤加菜広報室長(27)もスタンバイしている。