NHKへの不正競争防止法違反(営業秘密領得)及び威力業務妨害、東京・中央区の二瓶文徳区議への脅迫の罪に問われた「NHKから自国民を守る党」党首の立花孝志被告(53)の刑事裁判がスタートした。18日の初公判で同被告は「いずれも(政治活動としての)正当業務行為」と全面無罪を主張した。

 事件はいずれも一昨年のもの。N国党から当選したものの、離党した二瓶氏に対し、立花被告はユーチューブ上で「こいつの人生潰しに行きます」と投稿し、脅迫罪に問われた。

 また、NHK集金人(当時)が持つ情報端末の画面を撮影。その動画を公開すると、東京・渋谷のNHK前で、上田良一会長(当時)に面会を迫ったのが、不正競争防止法違反と威力業務妨害に問われた。

「ポイントとなるのは二瓶氏の脅迫事件で、取り調べを受けながらも扱いが宙ぶらりんとなっていたなか、NHK絡みの2事件と併せてスピードで在宅起訴となった点。3点セットなら有罪に持ち込めるとの検察側の思惑が働いているのでは?」(司法関係者)

 また昨今、お騒がせ系のユーチューバーにお灸を据えたい司法当局の意向もあるともみられる。〝元国会議員ユーチューバー〟で、炎上騒動を繰り返してきた立花被告が、恰好の標的になった側面がある。

 在宅起訴の場合、有罪なら罰金刑か執行猶予付きが量刑の相場だが、レアケースで実刑が下ることもある。ただ、立花被告は刑事裁判もなんのその。取り調べを受けている時から「起訴しなさい」と異例の訴えをしていただけに、法廷でNHKと対峙していることには感慨深い思いすらあるという。

「16年前にNHKを内部告発して、悪事をなんとか是正しようと戦ってきた結果、NHK側から訴えられた。皆さんの代弁者として、戦った結果、被告人となっていることにむしろ幸せを感じている」(立花被告)

 公判は月1ペースで進み、今年中には判決が出る公算だが、双方が最高裁まで争うのは必至。立花被告の〝処遇〟は来年夏の参院選をまたぐ可能性もある。