【現役女優が芸能界の性接待を実名告白!石川優実「#MeToo」:連載3】芸能界のセクハラ、パワハラを顔出しで告白した女優・石川優実(31)の連載「#MeToo(ハッシュタグミートゥ)」の3回目はグラビアデビューした石川が、どんどん過激にやらざるを得なくなった中、撮影で「お尻」を出すことに対して、マネジャーの“裏切り”やDVD作品での信じられないミスがあったことを明かす。

 グラビア活動の中でも「お尻」を出すことには抵抗がありました。でもマネジャーは聞いてくれなかった。その時に、決定的な不信感を抱きました。お尻の撮影までは、私も断れたけど断らなかったという部分があったんです。でもお尻に関してだけは「絶対に出したくない」と言っていたし、かなりマネジャーと話し合って決めたという経緯があった。

 でも現場に行ったら、「後で消すので現場では水着を着ていていいですよ」と言われたんです。要は「水着を修整して、お尻を全部出しているようにする」ということです。私は「いや、そういうことじゃないです。私はお尻を世間に出すのが嫌だと言ったんです」と言うと、マネジャーは「あっ、そうだったんだ」ととぼけた感じ。それでも「今回の仕事はお尻を出すことを条件に受けているから、早くして」と言われたんです。その言葉にさすがに私も泣いちゃいました。でも、周りには味方が誰もいない。メークさんも「早くして」みたいな感じだし、編集さんにしてみれば、事務所の中で話がついていると思っている。なので周りから「早くしろ」の圧力がすごかったんです。当時の自分にはあそこで逃げることはできませんでした。AVの強要問題もありましたが、構造はまったく一緒だと思いました。ギャラも1日1万円。DVDを出しても2日間拘束なら2万円です。知識がなかったんです。「新人だからそれが当たり前」とか「むしろお金を出して作らせてもらっている感じなのかな」というふうに自分で勝手に想像していました。

 お金の話をすると、当時のマネジャーも怒りはじめて「他の事務所だと、お金の話すると、絶対に所属とかさせてもらえないよ」という言葉が出てきた。いま考えれば“あるある”なんですが、当時の自分は分からなかったのです。ギャラはその事務所を辞めるまではまったく変わりませんでした。

 さらにDVD3本目ぐらいですかね。オフショットでの映像で、私の乳首がこぼれていたシーンが使用されていた。私も気づかなくて、ファンの方がネットのレビューで「○分○秒の映像に出てるぞ」と。

 それをマネジャーに言ったら「でも発売しちゃったからね」で済まされた。マネジャーには前から「メーカーさんには連絡するな! 仲良くするな」と言われていた。

 それで、辞めた後にメーカーさんに連絡して「やっぱりあのDVD発売中止にしてもらえませんか?」とお願いしたんです。

 そしたらそのメーカーさんは「え、そもそも(乳首が)出ていることも知らなかったよ。マネジャーさんがチェックしたものをそのままDVD化しているから」と言われた。

 その後、その事務所を辞めることになるんですが、結構、モメました。多分、当時はそのマネジャーにとって、私の存在は大きな収入源だったと思うんです。結構、引き留められました。「芸名を使っちゃいけない」「水着の仕事をしちゃいけない」「辞めても仕事あるわけないでしょう」とか。でも最終的にはほぼ、シカトして辞めた感じです。私が21、22歳ぐらいの時のことだったでしょうか。あとから、そのマネジャーがある女性との“ハメ撮り”とかを売っていたとかいう話が流れてきて。私はマネジャーから「タイプじゃない」と言われていたので、逃れられましたが、本当にひどかった。

 そこからお芝居を始めたり、女優業へもチャレンジしますが、そこでも大変な目に遭ってしまいました。(つづく)

☆いしかわ・ゆみ=1987年1月1日生まれ。岐阜県出身。2004年、高校3年生のときにスカウトされて芸能界入り。グラビアアイドルとしてDVDを30本以上発売するなど人気を博す。その後、女優として活動。14年には映画「女の穴」で映画初主演。17年にブロガーのはあちゅう氏に触発され、自身が経験した芸能界セクハラ事情を実名で告発。日本での#MeToo運動を展開している。