トランプ米大統領の支持者による議事堂占拠を受け、米IT各社が相次いでトランプ氏のSNSのアカウントを凍結している。

 ツイッターは8日、暴力をさらに扇動するリスクがあるとして、トランプ氏のアカウントを永久凍結すると発表。グーグルもトランプ支持者らが使用する会員制交流サイトアプリ「パーラー」の配信を停止した。フェイスブックも、トランプ氏のフェイスブックとインスタグラムを無期限で凍結すると発表しており、同様の動きが広がっている。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏はツイッターの対応について「これまで何十回も警告をしてきたが、トランプさんが言うことを聞かなかった。ついにレッドカードが出た感じ。今回の扇動はトランプさんがヘタを打った印象です」と語る。

 一方で「トランプさんが好き勝手なことを言う場が保護されてしまうという、ちょっと皮肉なことが起こりかねない」とも指摘した。

 というのも、トランプ氏は米大統領のアカウント(@POTUS)から「近い将来、我々のプラットフォームを立ち上げる可能性がある。我々を黙らせることはできない」とツイートしていたからだ(既にツイッター社が削除)。

 プラットフォーム立ち上げの実現性について、井上氏は「富裕層のトランプさんはエンジニアを雇ってSNSを作れる。ホリエモンがやっているようなオンラインサロンも一つの形ですし、ツイッターほど便利ではなくてもメッセンジャーアプリって、100万円ほどでひな形が売られています。支持者からお金を集めて通信会社を買ったり、大株主になったりもできなくはない。ネット上に秘密結社めいた〝トランプ帝国〟を作るのは可能でしょう」とみる。

 トランプ氏には全米を二分するほどの支持者がいることも事実であり、「熱狂するトランプ信者がいれば共和党にいる必要もなく、トランプ党などを作ってしまえばいい。いつの間にかトランプの第3極ができているという、いかにもアメリカっていう話もあり得ますね」と話した。トランプ氏が大人しく引き下がることはなさそうだ。