時代劇などで「5万回斬られた男」の異名を持つ俳優・福本清三さんが、今月1日午後5時26分、肺がんのため京都市内の自宅で亡くなった。77歳。葬儀は故人の遺志により、親族のみの家族葬という形で執り行われたという。

 福本さんは1958年、15歳で東映京都撮影所に専属演技者として入所。それ以来、50年以上にわたり、映画「仁義なき戦い」やテレビドラマ「水戸黄門」などで悪役を演じ続け、〝日本一の斬られ役〟とも称された。

 トム・クルーズ主演で2003年に公開された米映画「ラストサムライ」には日本人キャストの一人に抜擢され、注目を集めた。

 その功績がたたええられ、12年には本社制定の「第21回東京スポーツ映画大賞」で特別賞を受賞。授賞式では壮絶な殺陣を披露した。最後は見事に斬られ舞台上に散り、会場を大いに盛り上げた。

 福本さん本人は「こんな華やかな場所に自分なんかが…」とあくまで謙虚だったが、「時代劇低迷の折にこうして公の場で表彰していただき、本当にありがたい」と受賞を喜んでいた。