ちあきなおみの「喝采」(1972年)、細川たかしの「北酒場」(82年)で、2度の日本レコード大賞に輝いた作曲家で、最近は歌手としても活動していた中村泰士さんが20日午後11時50分、肝臓がんのため亡くなった。81歳だった。

 コロナ禍のため、本人の遺志により、葬儀は身内のみで済ませた。大阪市内の寺院で行われた葬儀の喪主は、長男の中村修士氏。後日、中村さんの伝えたかった音楽を聴く会が、大阪市内で開かれる予定。

 中村さんは9月末ごろ体調不良を訴え、10月初旬に検査を受けたところ、肝臓の腫瘍が見つかった。入院して抗がん剤治療を受け、経過は良好だったという。

 11月に自身のフェイスブックでがんを公表。「突然ですが、どうやらお迎えの足音が近づいたようです『肝臓癌』だそうです」と記していた。

 最後まで音楽への一途な思いを貫いた中村さんは、闘病中だったが、11月上旬には11曲の新曲を新大阪のスタジオで映像に撮り残し、ユーチューブの「中村泰士G POPチャンネル」で公開。11月14日にはビルボードライブ大阪でワンマンライブ、12月5日には客船内でライブステージに立った。これが最後のステージとなったという。