【M―1】ピン芸人躍動で悔やまれる?R―1出場資格の〝改悪〟

2020年12月21日 05時15分

M―1グランプリ第16代王者のマヂカルラブリー(左から野田クリスタル、村上)

 漫才日本一を決める「M―1グランプリ2020」が20日、都内で行われ、「マヂカルラブリー」(野田クリスタル=34、村上=36)が優勝した。今回、特に目立ったのは「R―1ぐらんぷり」で活躍した面々。野田は今年2月のR―1に優勝しており2冠を達成した。準優勝の「おいでやすこが」(おいでやす小田=42、こがけん=41)は、ともにR―1の決勝常連であるピン芸人同士。R―1は来年から、出場資格を「芸歴10年以内」に変更したが、「時期尚早」「千載一遇のチャンスを逃した」などという声が上がっている。

 今年のM―1は大混戦となった。10組で争ったファーストラウンドでは、658点のおいでやすこがが1位、649点のマヂカルラブリーが2位、3位には648点の見取り図が入った。

 この3組で争った最終決戦では、7人の審査員のうち、「サンドウィッチマン」富澤たけし、立川志らく、「中川家」礼二がマヂカルラブリー、「ダウンタウン」松本人志、上沼恵美子がおいでやすこが、「オール阪神・巨人」の巨人と「ナイツ」の塙宣之が見取り図に投票。実に「3対2対2」となる史上稀に見る接戦で、マヂカルラブリーが優勝した。

 優勝こそ逃したが、ファーストラウンドを1位で通過したのは、R―1の決勝常連であるピン芸人同士のおいでやすこがだった。こがけんの聞いたことのない歌に対し小田がツッコむというネタに、志らくは「衝撃を受けましたね」、松本は「単純明解なんですけど、やっぱ笑っちゃうんですよね。(中略)もう1回、見たいと思いました」、上沼も「これはもう名人芸に達してる」と絶賛した。

「R―1ぐらんぷり」は、M―1が2001年に始まったのを追うように翌02年に始まった。M―1では、01~10年まで「コンビ結成10年以内」、4年間の空白を経て15年に復活してからは「結成15年以内」という規定があったのに対し、R―1は芸歴に関しては規定がなかった。

 それが先日、衝撃のルール変更が発表された。来年の開催から、芸歴10年以内の芸人しか出場資格がなくなった。タイトルも「R―1グランプリ」と、それまで「ぐらんぷり」と平仮名表記だったものをカタカナに変更するなど、新しい大会に生まれ変わることを発表したのだ。

 この日、小田は漫才の最初に「先日、僕たち、寝て起きたら漫才しか残ってませんでした」と話したように、小田やこがけんのようなベテランピン芸人にとっては〝死活問題〟と言われたが、今回のM―1での活躍で状況が変わってきたという。

「おいでやすこがはM―1で準優勝。しかも最終決戦では、あの松本が1票投じたコンビになりましたからね。このコンビが、小田とこがけんというピン芸人に分かれて来年のR―1に出れば盛り上がるのに、みすみすそのチャンスを逃してしまった」(お笑い関係者)

〝芸歴10年以内〟としたことで心配されるのがレベルの低下だ。

 今年はコロナ禍での特殊な環境で、決勝も満員の観客を入れることができなかった。野田は「僕はR―1を無観客でやったから、経験してたので強かったのかも。おいでやす小田さんもR―1で無観客でやってたので、もしかしたらそれで最終決戦に残れたのかも」と経験の力を強調した。

「せっかくR―1で育った芸人がM―1で活躍したのに、逆に規定を変えてR―1に出られなくしてしまった。若手だけではレベルの低下は避けられないのでは」(テレビ局関係者)

 R―1は、視聴率を上げる千載一遇のチャンスを逃したかもしれない。