今年の「第68回 菊池寛賞」(日本文学振興会)を受賞した元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が17日、参議院会館で行われた新党大地「大地塾」(鈴木宗男代表)の講師として「新型コロナウイルス対策」について語った。

 政府の新型コロナ対策分科会は、5人以上の飲食が感染リスクが高まるとして、年末年始の忘年会や新年会の会合に自粛を要請している。

 新型コロナを巡る国民の暮らしや仕事に関する問題は、菅義偉首相(72)に課せられた喫緊の課題だ。この局面をどう改善すればいいか。佐藤氏は「ぼくはね、もう一回、10万円を配ったほうがいい時期に来ていると思う。今度は現金じゃなく、金券で」と訴えた。

 前回、政府が実施した1人当たり現金10万円の一律給付は、先行き不透明な状況を踏まえ、お金を消費に使わず貯蓄に回されたりと「経済効果につながらなかった」と分析された。

「この1人10万円の金券はね、期限を半年ぐらいにして、公共料金や学費が支払える金券にするんです。そうすれば期日までにみんな絶対に使いますよ」(佐藤氏)

 菅首相はプロ野球ソフトバンクの王貞治会長(80)、タレントのみのもんた(76)らと〝ハシゴ会食〟で「反省している」と釈明したが、ネット上で「気持ちが伝わらない」とイマイチの反応が続いている。

「『バラマキだ!』という批判は覚悟の上でやるべきです。ぼくは前回の10万円も意味があったと思う。金券は期日まで使われますから、第2弾の財政出動は規模12兆円とし、乗数効果で必ず経済効果が見込まれるはずです」と佐藤氏は話している。