結成15年以内の漫才日本一を決める「M―1グランプリ2020」(テレビ朝日系、月20日午後6時34分)で決勝進出した東京ホテイソン(たける=25、ショーゴ=26)が本紙のインタビューに応じた。今大会では最年少となる2人は、2001年の第1回大会は「記憶にない」と言うほどの新世代。コンビを組んだきっかけは、恋人募集ならぬ「相方募集掲示板」というサイトだった。

 ――決勝では事務所の先輩であるサンドウィッチマンの富澤たけしらが審査員を務めるが、心強い?

 ショーゴ:いや、もしオレが後輩を審査するとなると、絶対厳しく見ると思います。甘くはできないでしょ。サンドさんには普段からお世話になってますけど、だからこそ、逆に甘くできないでしょ?

 ――世話になっている先輩に審査されるのは緊張する?

 たける:いや、多分僕らより、富澤さんの方がキツイと思いますよ。僕らはやるだけなんで。

 ショーゴ:僕らは共演できてありがたいぐらいだけど、富澤さんはイヤだろうな~。カミナリさんが決勝行った時は、まだ富澤さんは審査員じゃなかったので、事務所の後輩に点を付けるのは僕らが初めて。困らせないためにも、富澤さんが95点を自信持って付けられる漫才をやりたい! さすがに100点は付けられないでしょうから。

 たける:それは事務所の後輩にやったらアウトだよ! でも富澤さん、一緒に営業に行っても「ホテイソンは決勝に来るかもしれないから」って、僕らのネタを見ないようにしていた。大変だと思います。

 ――事務所の先輩であるお見送り芸人しんいちが「ホテイソンには、漫才のマイクの上げ下げからすべて僕が教えた」と言っていた

 たける:それは真っ赤なウソ! あの人には何も教わってないです。

 ショーゴ:マイクの上げ下げは、前の出番だった漫才師に教わりました。

 たける:そもそもあの人、芸風的にマイクは触らないし。

 ――コンビを組んだきっかけは相方募集掲示板というサイトだとか

 たける:恋愛サイトみたいなもの。それで組んだ人はほかにもいたけど、すぐ解散しちゃうんですよ。お互い、全く知らない者同士ですから。長いこと続いてる人はほとんどいないと思います。

 ショーゴ:いま残ってるのは、俺らとクールポコさんです。たけるの前にもそのサイトで知った人に会ったけど、すぐにムリだと思って、その日のうちに終わりました。

 たける:僕はショーゴと会う前に5~6人会ったけど、みんなあまりにも変だった。60歳のフリーターとかいたし(笑い)。絶対変じゃないですか? 仕事もしてないし。それに比べたら、ショーゴはだいぶまともに見えました。その掲示板にいるのは大体、養成所とかで尖りすぎてハブられて、みたいな人が集まるヘドロみたいな場所なので。

 ショーゴ:僕もNSCを2か月くらいでやめたんです。先輩に怒られて。いま考えると、その人たちも「厳しくしろ」と言われてそうしたみたいですが、「帰れ!」と言われて真に受けちゃって。でも結構怖かったんで。オレも尖ってたから逆らおうと思ったけど、当時はガリガリで腕力もなかったから、怖いなと思って。その帰りの電車で掲示板を見て、たけるのページを偶然見つけたんです。

 ――それでコンビ結成

 たける:とりあえず1回ライブ出ましょう、となって、それからずっと続いてる感じです。

 ショーゴ:まだ1回も「コンビ組もう」と言ったことはないです。

 たける:僕の記憶では、初舞台が2014年9月21日。翌年の4月にグレープカンパニーの所属になったので、芸歴としては所属になってからカウントされると思います。その年の暮れにM―1が復活したんですが、これが初めての賞レースでした。

 ショーゴ:そのM―1で1回戦を通ったのが1番うれしかった。今年決勝行ったことより、その時の方がうれしかった。ちょっと泣きもしました。

 ――グレープカンパニーを選んだ理由は

 たける:ホントの話をすると、フリーの芸人界隈でギャラの話になった時、「グレープが6―4らしい」と聞いて、そりゃいいねと思って選びました。

 ショーゴ:ほかにも6―4の事務所はあるけど、当時はサンドウィッチマンさんしか売れてる芸人がいなかったので、ちょっとでも芽が出れば2番手になれるかと。まだ永野さんもブレークする前でしたから。

 たける:僕らが入って2か月後くらいに永野さんがドーンと行った感じで。

 ――ネタはどうやって作ってる

 ショーゴ:オレが作ってます。前は1人でやってたけど、いまはたけるに「これ、どう?」とか聞きながら作る。話し合いながら作ったネタが1番面白いので。だからいまは、オレが作るのは変わらないけど、たけるにも一緒にいてもらう。

 たける:僕は1人で作ってもらった方がいいですけど。自分の休みの時間がなくなる(笑い)。

 ショーゴ:たけるはM―1決勝に行くために、上戸彩さんがCMしてる歯みがきを使ったらしいです。

 たける:そう、クリニカを1年ずっと使いました。願掛けが好きなんで。

 ――M―1は笑神籤(えみくじ)というルールができて、出番が直前まで分からなくなったが、演者としてはどっちがいい?

(2人揃って)そりゃ、決まってる方がいいですよ!

 たける:ネタ合わせもやりやすいし。

 ショーゴ:マジでネタ合わせどうしようか、迷ってます。

 たける:かまいたちさんには、当日はネタ合わせしないくらいの方がいいと言われました。

 ショーゴ:前日にやり込むくらいで。

 たける:いっそのこと、本番はトップに行きたい。今年は正統派が少ないので7~8番目に出て埋もれるくらいなら、トップに出てバーンとやって印象を付けたい。

 ショーゴ:オレはちょっと変わってきた。3番目だね。ここだったらまだ、印象は薄れないから。トリなんかは、もうとても…。去年トリだったぺこぱさんは、よくやれたな、と思います。