結成15年以内の漫才日本一を決める「M―1グランプリ2020」(テレビ朝日系、12月20日午後6時34分)で決勝進出した東京ホテイソン(たける=25、ショーゴ=26)が本紙のインタビューに応じた。今大会では最年少となる2人は、2001年の第1回大会は「記憶にない」と言うほどの新世代。M―1では、15年に復活した以降は吉本興業所属のコンビしか優勝していないが、「今年は吉本以外から決勝に進んだ錦鯉、ウエストランドと3組で最終決戦に残る!」と宣言した。

 ――初の決勝進出

 ショーゴ:準決勝のウケ的には決勝に行ったかな、とは思いましたが、それでも呼ばれるまで分からなかったです。

 たける:去年までは他の芸人のネタを舞台の袖で見られたけど、今年はコロナ禍で見られなかった。他がどれくらいウケてるか、全く分からなかったので。

 ――準決勝は今年で4年連続

 ショーゴ:今年の準決勝が一番、練習通りというか、気持ちのいいテンポでできたかなという感じ。去年も一昨年も準々決勝が一番良かったので。今年は準々決勝があまり良くなかったので、ライブでテンポを探りながらやって、準決勝はほぼ完ぺきにできたので。

 たける:もしこれで決勝行けなかったら、もうムリだろうと思うくらいでしたね。

 ――決勝進出者の発表会見で、2018年に霜降り明星が優勝した時、芸風が似てると批判され、辞めようと思ったと話していたが

 ショーゴ:ツッコミで笑いを取るところが似ているとか、いろいろ言う人はいましたね。でもいまは完全に別のモノになったと思います。そのころ辞めようと思ったというのは霜降りさんとは関係なく、シンプルに自分たちのネタが限界に来てたんです。もうパターンというかフレーズを出し尽くした気がして。いま思うと、まだ全然あったんですけど。いまの芸風になって2年目くらいで、当時の技術では使いこなせてなかった。18年に「遠足」ってネタができたんですけど、これで決勝に行けないんだったら来年もさらに厳しくなるぞ、ここが瀬戸際かな、と思ったのは事実ですね。

 たける:ツッコミで笑いを取るという部分だけが、霜降りさんに似てると言われただけですけどね。

 ショーゴ:ネタが似てるとかより、自分たちと同世代の若い人が優勝したことが大きかったですね。それから第7世代が出てきたし。

 たける:ただ、ぼくらは第7世代というカテゴリーにくくられてるわけではないので。

 ショーゴ:年でいうと第7世代ですけど、全然入ってなかったので、いまさらくくられてもね、という感じですかね。自分たちは自分たちでいいかと。ただ若手がすごい勢いでガンと来たのは、ヤバいなと思いました。

 ――2人ともまだ若いが、M―1の始まったころの記憶は?

 たける:第1回はまだ5歳だったので、全く覚えてないです。

 ショーゴ:僕が覚えてるのは2005年。ブラックマヨネーズさんが優勝したんですが、チュートリアルさんのバーベキューのネタで腹抱えて笑いました。07年にサンドウィッチマンさんが優勝したけど、もうお笑い好きだったので、敗者復活から上がってきた時、親に「この人たちが優勝するよ」って言いましたね。

 ――年齢的には、今回決勝に行く錦鯉の長谷川雅紀は49歳だから、だいぶ世代が違う

 たける:ほぼ父親と同い年くらい。オカンは雅紀さんより年下です。

 ショーゴ:オレの親も同世代。でも雅紀さんの若い時の写真を見たら、めっちゃイケメンでしたよ。

 たける:よくライブで一緒になるので、年の差があるというより東京のライブで一緒にやってる仲間という感じ。ウエストランドさんもそう。ウエストランドさんは2人とも僕と同じ岡山で同郷ですし。

 ショーゴ:ウエストランドさんはよくライブで一緒になるので、決勝に決まった時は叫びましたね。自分たちのことより喜びました。面白いからいつか行くとは思ってたけど、それでも行けないのが賞レース。僕らは6回目の挑戦だけど、ウエストランドさんは、もっと挑戦してますし。

 ――15年にM―1が復活してからは吉本所属しか優勝していないが、今年は吉本以外では3組決勝に進んだ

 たける:吉本以外で最高の順位は、去年のぺこぱさんの3位ですからね。

 ショーゴ:今年はどのコンビも優勝できるし、どのコンビも最下位の可能性があると思います。オレらも1発目のボケを外したら最下位だけど、1発目がドーンとウケれば優勝もある。

 たける:もちろん優勝もしたいですけど、その3組で最終決戦に残りたい。全部、他事務所にしたいですね。錦鯉、ウエストランド、東京ホテイソンで残れば、これは熱いですよね。

 ――それでも優勝は自分たちという思いは

 たける:それはもちろんありますけど。

 ショーゴ:でも優勝すると、来年出られなくなっちゃうので。

 たける:出られないことはないけど、風潮的にね。

 ショーゴ:優勝したら、来年出ようとは思ってないので。

 たける:優勝したら出ないですね。

 ショーゴ:もう1~2回くらい準決勝やって、決勝進出者発表で「東京ホテイソン」と呼ばれる感覚は味わっておきたい。まあこれは、ネタを作ってる側の意見ですけど。ネタもM―1向きかそうでないかを考えて作ってるので、終わっちゃうのはさみしい。たけるはそうは思ってないみたいですけど。

 たける:もういいです(笑い)。あの発表、吐きそうなんですよ。耐えられない。今年で4年連続の準決勝ですけど、3年間呼ばれなかったので。

 ショーゴ:1年で9組が決勝進出するんです。今年は8番目にやっと呼ばれたので、トータルすると35番目にやっと「東京ホテイソン」と呼ばれた。

 たける:あの場は耐えられないです。

 ――事務所の先輩であるサンドは敗者復活で優勝したから、準決勝から決勝進出したことはない

 たける:そうなんです。カミナリの石田たくみさんが言うには、M―1の台本に完成版ではない「準備稿」というのがあって、「それはサンドさん、持ってないからな」って。サンドさんは完成版しか持ってないけど、ストレートに上がれば準備稿がもらえるから頑張れ、と。