「横山ホットブラザーズ」アキラさん死去 大阪名物「お前はアホか」は偶然の産物だった!

2020年12月12日 05時15分

亡くなったアキラさん(中央)

 上方漫才トリオ「横山ホットブラザーズ」のリーダー・横山アキラ(本名・彰)さんが9日午前8時、腎不全のため大阪市の療養施設で死去した。88歳。大阪市出身。葬儀・告別式は近親者らで行った。

 10代から舞台に立ち、戦後、父親の故横山東六さんや弟のマコトらと横山ホットブラザーズとして活動。1975年に東六さんが引退した後はマコト、セツオとの兄弟トリオとなり、テレビや舞台で活躍した。

 アキラさんは舞台ではギターとボケ役を担当。最も有名なのは、のこぎりを楽器のように鳴らす芸だ。のこぎりを7回たたいて「お~ま~え~は~ア~ホ~か~」と聞こえる奇妙な音を出す芸は〝大阪名物〟と言われ、老若男女問わずみんなに愛された。

 ただこの芸は、思わぬことから生まれたという。お笑い関係者は「昔は、お酒が入っている客の前でやる営業も結構多かった。そういう客の中には『しゃべってないで歌え!』など、変なヤジを飛ばす者がいたらしい」と明かす。

 そんなヤジを聞いて舞台上でムッとしたアキラさんは、無言で「お~ま~え~は~ア~ホ~か~」と、のこぎりをたたいたという。台本にないことをやったため、不思議に思ったマコトが「何てたたいたんや?」と聞いたところ、アキラさんは「腹立ったからな。お前はアホか、じゃ!」と言って、もう一度のこぎりを7回たたいた。

「すると客席は大爆笑。それを見て『これはいける!』となった。それからホットブラザーズの代表的な芸になったそうです」(同)

 その後は96年に文化庁芸術祭大賞、2003年に上方漫才大賞を受賞し、09年に上方演芸の殿堂入りを果たした。17年、大阪市の無形文化財に指定された。〝大阪名物〟が二度と聞けなくなるとは、なんともさびしい限りだ。