現役時代は「キラー・カーン」のリングネームで新日本プロレス、全日本プロレス、米国WWF(現WWE)などで活躍した元プロレスラーの小沢正志容疑者(73)が9日、警視庁新宿署に道路交通法違反(ひき逃げ)と重過失傷害容疑で東京地検に書類送検された。

 小沢容疑者は10月18日午後5時すぎ、自転車で走行中、東京・新宿区百人町の路上で、20代の女性に接触。そのまま走り去った疑いが持たれている。女性は、転んで前歯を折るなど、全治およそ1か月の大けがを負ったという。

 同容疑者は、東京・新宿区百人町で「キラーカンの店 居酒屋カンちゃん」を経営している。警察の調べに対して容疑を認めているという。

 小沢容疑者は大相撲を経て日本プロレスに入門。1971年11月20日の桜田一男戦でデビューした。1973年3月にはアントニオ猪木が旗揚げした新日本プロレスに移籍した。

 195センチ140キロ(全盛時)の日本人離れした体格を武器に79年3月からは米国に参戦。独特の「モンゴリアン・スタイル」でトップヒールとなった。80年12月からはWWFに参戦し、マジソンスクエア・ガーデンで当時のWWF世界ヘビー級王者ボブ・バックランドにも挑戦。〝大巨人〟アンドレ・ザ・ジャイアントとの抗争はWWFのドル箱カードとなった。

 87年11月に現役引退すると「キラー・カン」を名乗り、都内で居酒屋を経営。温厚な性格で店での評判も良かった。引退後は誰からも慕われる存在だっただけに、残念な事件となった。