年内に中国への返還が決まっている上野動物園生まれのジャイアントパンダのシャンシャン(メス3歳)を惜しんで4日、東京・上野でトークショー「ありがとう!シャンシャン」が開催され、多くのファンが詰めかけた。

 2017年6月12日に上野動物園で産声を上げたシャンシャン。性成熟を迎えるといわれる5歳を前に〝お婿さん探し〟のため中国へ渡ることになる。

 この日、ファンたちは「シャンシャンがいなくなっちゃうなんてね、(香取)慎吾くんがいなくなっちゃったSMAPと同じよ!」(60代女性)などと、それぞれが熱い思いを語り合った。

 シャンシャンの返還は当初からの取り決めだが、実は今年の春にこれを打破できる可能性が〝あったはず〟という。

「中国国家主席の習近平氏が国賓で来ることになり、何とかシャンシャンがお婿さんを連れて上野に帰還できないか、と交渉をしてもらう構想を練っていた。ところが、習近平氏の来日がなくなって、立ち消えになった」(二木理事長)

 実際、上野動物園側も今年9月に22億円をかけて生息地に近い環境を整えた新パンダ舎「パンダのもり」をオープン。これまで以上に多頭数飼育が可能な環境を整えて、シャンシャンがお婿さんを連れてきても受け入れることができる体制を作っていた。それだけに習氏が来日できなかったのは悔やまれる。

 とはいえ、うつむいてばかりもいられない。二木氏は「また、リーリーとシンシンが子供を作るかもしれない」と前を向く。

 上野動物園の福田豊園長は「上野動物園ではまだないが、パンダの出産は遺伝的に約50%の確率で双子が生まれる」というだけに、これまで5頭がすべてが〝ひとりっ子〟だったことを考えると、確率的に次こそ双子が誕生する可能性は十分。

 上野からシャンシャンが去ってしまうのは寂しいが、そう遠くない将来に、新たな産声が上野の街に響き渡るかもしれない。