感謝の大キャンペーン…。映画の記録的ヒットなど数々の社会現象を巻き起こした人気漫画「鬼滅の刃」(集英社)の最終巻となる23巻の発売日である4日、同作品の広告が全国紙5紙をジャックした。

 朝日、産経、日経、毎日、読売の4日付朝刊は4ページずつ「鬼滅」の全面広告を掲載。「夜は明ける。想いは不滅。」というキャッチコピーとともに作者・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏のメッセージが刻まれたページは各紙共通だが、他のページに登場する計15のキャラクターはすべて異なる。

 鬼滅グッズは大人気とあって、日ごろ新聞を読まないファンでも全紙購入するかもしれない広告ラッシュだ。「どデカい広告」「これで新聞まで売り切れたら笑う」とネット上でも話題に。

 すでに「予約殺到」などと伝えられている23巻も爆売れ確実。いまさら宣伝の必要はないところだが、今回の広告は23巻の刊行告知ではなく、1億冊(電子版含む)を突破した作品自体をアピールする形となっている。

 ここから浮かび上がるのは読者らへの感謝の思い。初版395万部が発行される23巻は、書き下ろし部分が39ページあるといわれる。「39」は「サンキュー」を意味するのではとその解釈もかねて関心を呼んでいた。

 今年は「週刊少年ジャンプ」での連載が5月に完結。10月公開の映画が興収歴代1位をうかがう大人気で、単行本も完結と節目の年となった「鬼滅」。吾峠氏は広告で感謝の意を示し、「皆様の歩く道が幾久しく健やかで、幸多からんことを心から願っております」と結んだ。