「アンジャッシュ」渡部建(48)の記者会見が盛り上がるなか、永田町では安倍晋三前首相(66)の〝桜を見る会疑惑〟で大騒ぎになっている。

 これは「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐる問題。昨年までの5年間の費用の総額が2000万円を超え、このうち少なくとも800万円以上を安倍氏側が負担したとみられる。

 だが、懇親会を主催した「安倍晋三後援会」の収支報告書に懇親会に関する収支の記載はなし。東京地検特捜部は後援会の代表を務める安倍氏の公設第1秘書を政治資金規正法違反の疑いで立件する方針を固めたとされる。さらに3日には、特捜部が安倍前首相に任意の事情聴取を要請したと報じられた。安倍氏は「聞いていない」と否定している。

 安倍首相の在任中は黙殺されてきた一連の疑惑が、菅義偉首相(71)に〝代替わり〟した途端、一気に動き出した印象を受ける。一部報道では安倍氏が首相辞任後も「外交の最前線に立つ」と息巻いていたのを菅氏側が快く思わず、クギを刺しにいったとも報じられているが…。

 元衆院議員でタレントの上西小百合氏(37)は本紙取材に「さすがに菅さん主導でここまで露骨にやるとは思えない」と否定的な見方をしつつも「特捜部が『桜(の疑惑)をやりたい』といって、菅さんが止めるのもおかしな話。そこは我関せずのように見せるのでは? 菅さんが表立って関与するとしたら、安倍さんの国会招致を止める時くらいでしょう」と推察した。

 上西氏いわく、約5年間の議員生活でわかったのは、実力者になればなるほど「腹の内は絶対に見せない」ことだという。

「今の政治家で言ったら、菅さん、二階(俊博)さん、あと間近で見てきた小沢一郎さん。この3人は怖いですよ。小沢さんなんか、言ってることとやってることが違い過ぎて『この人、二重人格なんかな』と思ったほどです(笑い)」

 そこへ行くと、安倍前首相は「ある意味、純粋でわかりやすかった」。上西氏は一気に動き出した〝桜疑惑〟について「さすがに安倍さん本人の立件はないとは思いますが、気付けば身動きが取れなくなっている。これが政治。菅さんも最初は〝安倍政治〟を踏襲すると言っていたけど、結局は自分のやりたいようにやりたい。今回の件に乗じて一気に自分の色を出していくのでは」と指摘した。