今年1月、従業員の未成年女性Aさん(16=当時)に睡眠薬入りのアルコールを飲ませて抗拒不能にさせ、ホテルで性交に及んだとしてわいせつ略取、準強制性交等の罪に問われた会社員の明石崇広被告(41)の第3回公判が2日、大阪地裁で開かれた。

 明石被告は1月30日、実質的に経営するコンセプトカフェで、Aさんに「パキる?」「一緒に飛ぼう」などと睡眠薬「マイスリー」の錠剤や粉末に砕いたものを勧め飲酒させ、抗拒不能となったAさんを道頓堀のホテルに誘って性交に及んだとされる。同被告は2018年、SNS上で知り合った少女(14=当時)に〝アイドルプロデューサー〟をかたって連れ去り有罪判決。事件当時は執行猶予期間中だった。

 明石被告はAさんと性交したこと自体は認めているが「すべて同意の上」として、Aさんは拒むことができる状態だったと主張している。

 この日は、マイスリーやアルコールの効能に詳しい専門家の証人尋問が行われ、Aさんの当日の様子について分析。当日の街頭やホテルの防犯カメラに写ったAさんの様子から「かなりアルコールを飲んでいるところに薬の効果も加わっているとみられる。意識レベルは相当下がっているとみられる」と指摘した。

 これまでの公判でAさんは、ホテルのフロントやエレベーターの中、明石被告から「口移しで酒を飲まされた」場面や、同被告が性行為に及ぼうとしている場面などを「写真の一場面のような感じの記憶」として断片的に残っていると証言していた。

 専門家は「アルコールと薬物の効果で、筋弛緩や健忘といった作用が出ており、縞状の記憶しか残っていないのではないか」と証言した。