「現代用語の基礎知識選 2020ユーキャン新語・流行語大賞」で、「アベノマスク」がトップ10入りした。ツッコミどころ満載で、さんざんネタにされたアベノマスクだが、最もインパクトがあったのはブラポスター。東京都では〝有害広告物〟か否かの議論もされていた。

 安倍政権の肝いり政策だったアベノマスクは、配布遅れや布素材、小さ過ぎるなど評価は散々。マスクを揶揄すべく、7月の東京・北区都議補選に立候補したNHKから国民を守る党の〝ゆづか姫〟こと新藤加菜・現広報室長(27)は、マスクをブラジャー代わりにしたアベノマスクブラ姿の写真を選挙ポスターに投入し、物議を醸した。

 アベノマスクが流行語大賞のトップ10入りしたことに新藤氏は「新型コロナの感染者が増えている現状を見ると、あの時、自粛を強いられたことでの寂しさとか苦しさは何だったのかなと。マスクを配るだけのお金があったらほかにできたことはあった。ブラポスターはその皮肉を込めたものなので、意義はあったと思う」と話した。

 ちなみにこのポスターを巡っては、都に対し、「いたずらに性的感情を刺激するようなポーズで胸を強調しており、有害な広告物だ」という申し出があり、都の青少年健全育成審議会でも審議された。

 実地調査を経ての結果は「著しく性的感情を刺激するとまでは言えない」として、都条例に違反するものではないとのお墨付きを得ていた。

 当時は「公職選挙法違反」「選挙を使ったセクシュアルハラスメントは許さない」と非難されていただけに、新藤氏は「有害広告物には当たらないとのことでした。いたずらに性的感情を煽らなくてごめんなさい」とユーモアを織り交ぜ、振り返った。