雛人形でその年の世相を振り返る「第76回真多呂変わり雛」の作品発表会が26日、都内で行われた。(一般公開は12月1日から)

 雛人形などを製造・販売する真多呂人形は、1946年に「りんごの唄雛」を制作したのを皮切りに毎年5~6種類のテーマで変わり雛を発表している。

 基本のコンセプトは男女一対の雛人形で表現し、事故や事件などの惨事や不幸な出来事はテーマにしないという。

 昨年は「令和元年雛」やラグビーの「ONE TEAM雛」などが発表された。

 今年は新型コロナウイルスの影響からマスクを着用した雛人形が登場しており「新しい生活様式雛」や「GoTo雛」など、コロナ関連の作品が多い。ほかにも、菅義偉首相の雛人形があしらわれた「たたき上げ総理雛」や将棋の藤井聡太二冠の快挙を祝福した「最年少二冠雛」が発表された。

 真多呂代表取締役の金林健史氏は「今年はコロナの影響でオリンピックが延期されてしまったりと、なかなか明るい話題がなかった。雛人形はお祝い事に飾るものなので、マイナスイメージのものは作らないが、今年はどうしても新型コロナに関連するものが多くなってしまった。マスクをつけた雛人形を制作したのは初めて」と話した。