茂木健一郎氏も批判した「コロナ罰則付き条例案」都議会で提出の背景

2020年11月25日 11時30分

茂木健一郎氏

 東京都の新型コロナウイルスに感染した重症者が24日、前日から10人増え51人となり、緊急事態宣言解除後、最多となった。

 感染者の増加傾向が続いているが、その背景に感染疑いのある患者や濃厚接触者が、PCR検査を受けるよう要請されても拒否するケースが目立つようになったことがあるという。

 都内の病院関係者は「発熱外来が保健所管轄から、かかりつけ医になり、医師は症状のある患者にPCR検査を受けるように言うのですが、保健所より強制力がないことを患者さんも分かってきた。10人に1~2人は拒否するようになっている。陽性なら一定期間隔離されるので、仕事や遊びの予定を変えたくない、職場や学校で差別されたくない、などが理由のようです」と話す。

 濃厚接触者が、保健所からPCR検査要請を受けても同様に拒否する例も増えているといい、感染拡大の一因である可能性も指摘されている。

 こうした状況から、東京都議会の最大会派「都民ファーストの会」は30日からの都議会で、感染が疑われる人に対し、都がPCR検査を命令し、正当な理由なく拒否した場合、5万円以下の過料(罰金)を科す条例案を提出する。

 だが、これには反対の声が上がっている。新宿区の吉住健一区長は「感染者を犯罪者扱いすることはあり得ない」と反対。脳科学者の茂木健一郎氏はツイッターで「そんな条例をつくるよりも、先にやるべきことがあると思う」と批判した。制定されれば全国初となる罰則付き条例案だが、賛否が分かれている。

 永田町関係者は「罰則よりも、PCR検査で陽性になった場合のケア、たとえば休業補償のない人への補償などは国がやるべき。地方議会としては親が隔離された時の子育て支援など、陽性になっても不安にならない細やかな対策で、検査拒否を減らす方法があるのではないか」と指摘している。