今週自伝本が出版された俳優マイケル・J・フォックス(59)が1985年、ロンドンで開かれた映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のプレミア上映会で、来賓した故ダイアナ妃の隣で鑑賞した〝人生最高の夜〟が〝悪夢の夜〟になってしまったワケを激白した。

 マイケルは18日、米NBC深夜のトーク番組「トゥナイト・ショー」にリモート出演。当時を振り返り「(同妃は)僕の隣に座られ、(館内の)照明が消えて気づいたんだ。あくびをするふりをして手を上に伸ばせば、そのまま彼女の肩に手を回せられるって」とジョークを飛ばした。

「だけど映画が始まって思い出した――。おしっこがしたかったんだって」とマイケル。だが、時すでに遅し。「ただ座ったまま悶絶してたんだ。ダイアナ妃にそんなことは言えないし、背を向けることもできない」。つまり、立ち上がってトイレに行くなど、非礼でできないというのだ。

 結局、そのまま我慢するしかなかったマイケルは、「本来なら僕にとって人生最高の夜になるはずだったのに…もう悪夢の夜だったね。おしっこのあふれる悪夢」と笑い飛ばした。

 同番組の司会者ジミー・フォロンにダイアナ妃は映画を楽しまれたかと聞かれ、「何回か笑っておられた。ブーイングはなかったね」とちゃめっ気たっぷり。その上で、同い年だったダイアナ妃は「素敵で優しかったよ」との印象を明かした。

 マイケルは91年に難病のパーキンソン病と診断された。これまで治療の効果で演技を続けることができたが、近年は病気が進行し、記憶力が際立って低下。セリフを覚えることが困難になってきたため、映画から引退を決め、執筆活動に集中しているという。

 自身の半生を語った著書「ノー・タイム・ライク・ザ・フューチャー」は17日に刊行され、米紙ニューヨーク・タイムズによる書評ですでにベストセラー入りしている。