米大統領選は共和党のトランプ大統領(74)と民主党のバイデン前副大統領(77)が互いに一歩も引かないデッドヒートの様相だ。過去に例を見ない大接戦の行方と同時に、欧米メディアで報じられているのが、トランプ氏が敗北した場合、メラニア夫人(50)から離婚を突きつけられるというもの。注目の選挙戦は開票作業が続く中、両候補が「勝利を確信している」と譲らない状態が続いているが、トランプ氏は実は〝離婚をかけた戦い〟にもなっている。

 大統領選は全50州と首都ワシントンに割り当てられた計538人の選挙人の過半数270人を獲得した候補が当選する。

 トランプ氏は共和党地盤の南部テキサスなど23州、バイデン氏は18州と首都でそれぞれ勝利し、CNNテレビが集計した獲得人数(日本時間5日未明)はトランプ氏が213人で、バイデン氏は224人。

 トランプ氏は4日未明、ホワイトハウスで演説し「はっきり言ってわれわれが勝った」と一方的に主張。「一部州で不正があった」と根拠を示さずに語り、投票日後に到着する郵便投票を集計する州があることに不満を示し「最高裁で争う」とした。

 バイデン氏は地元の東部デラウェア州で「勝利を確信している。全ての票が数えられるまで選挙は終わらない」と話した。

 中西部ウィスコンシンとミシガン、東部ペンシルベニアでは新型コロナウイルス対策のため郵便投票が拡大。ペンシルベニアでは6日の到着分まで有効票と見なすことから結果判明がずれ込みそうだ。3州の一部では、バイデン氏が最終盤に入り、リードを奪うなど猛烈に追い上げている。

 そんな接戦のさなか「トランプ大統領が再選できなかった場合、メラニアは離婚する」との見方が広がっている。

 ブックメーカーでは大統領選でどちらが勝利するかだけでなく、トランプ夫妻が離婚するか否かまでもが、賭けの対象になっているのだ。

 トランプ氏とメラニア夫人は2005年に結婚。スロベニア出身のモデルだったメラニア夫人は、大富豪トランプ氏を射止めた上に、ファーストレディーにまで上り詰めた〝シンデレラ・ストーリー〟だったが、実際は忍耐の日々だったという。

 トランプ大統領の補佐官だった女性が2年前に出版したホワイトハウスの暴露本では「メラニア夫人はトランプ大統領が職務を終え、離婚できる日を指折り数えている」と明かした。

 今年、出版された別の暴露本でも「トランプ氏との間で、婚前契約の条件を再交渉していた」と記された。財産分与の額の見直しとみられ、メラニア夫人は大統領の任期終了→離婚の「Xデーに準備万端備えている野心家だ」とされた。

 トランプ氏の財産は25億ドル(約2630億円)と見積もられているが、不動産関連での借入金が多く、実際の懐具合は火の車との見方もある。

 メラニア夫人はトランプ氏の傲慢な性格に嫌気が差しているだけでなく、トランプ氏の巨額の借金の連帯保証人になるのを恐れているともいわれている。最も苦心しているのは、トランプ氏との間の実子・バロン君(14)に、公平に財産分与されるようにすることだという。

 ただ、トランプ氏が大統領職にある限りはメラニア夫人もファーストレディーのイスを手放したくない。

 大統領選では10月27日に激戦区ペンシルベニア州での集会に初めて1人で登壇。「夫のSNSでの発言に必ずしも賛成してはいないが、国民に直接語りかけていることが重要」と笑いを誘うスピーチも披露し、援護射撃するかいがいしいところも見せた。

 大統領選の開票後、初となったトランプ氏の会見にもメラニア夫人は連れ添って登場し、ファーストレディーとしての役割を忘れていなかった。

 果たしてメラニア夫人はトランプ氏と〝仮面夫婦〟を続けるのか、大統領選敗北の場合はあっさりと見切りをつけるのか。選挙戦の行方とともに〝熟年離婚問題〟が注目されている。