「人の記憶に残りたい…」伊藤健太郎容疑者の歪んだ俳優像

2020年11月02日 05時15分

反発ばかりだった伊藤

 道交法違反(ひき逃げ)容疑などで逮捕、釈放された俳優・伊藤健太郎容疑者(23)の理想とする俳優像の皮肉――。厳しい言葉で成長させてくれた大人たちを毛嫌いし〝天狗〟になっていった伊藤は、人間性の成熟を求める周囲に反発し「いい人間だろうが、俳優として人の記憶に残らなければ意味がない」「悪い印象だろうが、人の記憶に残りたい」と言い放っていた。今回の事件で皮肉にも世間の記憶に刻まれた今、何を思うのか。

 伊藤は10月28日午後5時45分ごろ、東京・渋谷区内で車を運転中、20代の男女2人が乗るバイクと衝突。女性は左足骨折の重傷を負った。

 伊藤が世間の反感を買ったのは、救護措置を行わず、現場から走り去ったことだ。一部始終を目撃した男性に説得され、事故現場に戻っていたことが判明。目撃者の証言では、現場に戻った伊藤はスマホをイジリ続けるなど反省するそぶりはなく、飄々(ひょうひょう)とした様子だったといい、その点にも批判が噴出している。

 警視庁の調べに対し「目撃者に免許証の写真を撮られ、踏ん切りがついた」などと供述。俳優という以前に〝人間性の未熟〟がクローズアップされているが、伊藤は売れっ子になるにつれ、生活態度に苦言を呈していた大人たちに反発し、歪んだ〝俳優像〟を吐露していたという。

「目上の人にタメ口で話して怒らせたり、遅刻したり、現場に二日酔いで現れるなどやんちゃな面があったが、周囲から注意されるたびに不満を爆発させていた。マネジャーなどから『役者は人間性が問われる仕事』と言われても、『いい人間だろうが、俳優として人の記憶に残らなければ意味がない』『悪い印象だろうが、人の記憶に残りたい』などと理想の俳優像を挙げ、反発していた」(芸能プロ関係者)

 確かに一昔前の俳優らに比べ、特に今の若手俳優に対して芸能界では「小さくまとまっている」「豪快さがない」などと残念がる声は聞かれる。

 しかし、ドラマ関係者は伊藤について「ヘビースモーカーで知られ、仕事の関係者を待たせても、堂々とタバコを吸っていたこともあった。その姿は何かの信念というよりも、大人が求める〝いい子〟に抵抗する思春期の子供のようにも映っていた」と指摘。そもそも遅刻などは、豪快さではなく、プロとして失格だろう。

 雑誌などのインタビューなどでも、同じような主旨の発言をするようになっていった伊藤。18歳から約4年間見守り、売れっ子俳優への導いた元マネジャーが昨年夏に担当から外れてから、やんちゃぶりは悪化の一途に…。今年9月に現在の事務所に移籍後の〝天狗ぶり〟は手の付けられない状態になっていた。

 伊藤は今回の事故のほかにも、4月に文京区内で物損事故を起こしている。

「その時の被害男性がツイッター上で伊藤の免許証写真とともに、事故を〝告発〟。現在アカウントは削除されていますが、あれで報道各社が一斉に取材に動いた」(ワイドショー関係者)

 裏を返せば、被害男性の告発がなければ、表には出ない話だった。

「今回、伊藤に緊張感がなかったのは、4月の事故がこれまでマスコミに一切報じられなかったことも影響している。あれで『大丈夫なんだ』と勘違いしてしまった。ニュースにならなければ問題ないと考えたのでしょう」とテレビ関係者。

 ところが、今回は人身事故で被害者がいたのに現場から一時逃走したことから、事故当日に警察から事情を聴かれ、翌日の出頭要請まで食らい、逮捕となった。事故を軽く考えていた伊藤は顔面蒼白になっていたという。

 もっか大ブレーク中だけに事故に伴う違約金は一部報道によれば5億円ともいわれる。とても一人で支払える金額ではない。耳の痛い声を遠ざけ、幼稚な俳優像を確立させていた伊藤。〝なんとかなる〟という甘えが取り返しのつかない事態を招いたようだ。