将棋の王将戦挑戦者決定リーグの藤井聡太2冠(18)と佐藤天彦九段(32)の対局が東京・将棋会館で行われ、118手で藤井2冠が勝利。同リーグ戦での初勝利となった。

 ともに3敗しており、すでに挑戦の可能性は消滅。リーグ戦残留を目指す戦いとなった。将棋は先手・佐藤九段の中飛車という驚きの戦型でスタート。生粋の居飛車党である佐藤九段が中飛車を採用するのは実に13年ぶりだという。藤井2冠は26日の同リーグ戦で四間飛車を採用した永瀬拓矢王座に敗れている。藤井2冠は対振り飛車戦は苦手ではないが、佐藤九段も元名人の意地とリーグ戦残留に向けた執念を藤井戦にぶつけてきたと言えるだろう。

 藤井2冠は「(中飛車は)意表を突かれましたが、その後は自然に指すようにこころがけた」と話した。中終盤にかけて難しい局面もあったが、終盤は手堅い差し回しで勝利をもぎ取り、リーグ戦残留の可能性を残した。

 また、同日行われた同リーグ戦の羽生善治九段と広瀬章人八段の対局は羽生九段が勝利し、3勝0敗で豊島将之竜王に並んでトップになった。