大阪市を2025年に廃止して、4特別区を新設する「大阪都構想」の住民投票(11月1日投開票)をめぐって、賛成派と反対派による、本質から離れたバトルが繰り広げられている。

 反対派の立憲民主党が作成した、ヒョウ柄やトラ柄の服装の中年女性が描かれたチラシに対し、ネット上では「大阪のオバちゃんをバカにしている!」との批判が続出したことは本紙で昨報した。推進派である大阪維新の吉村洋文代表代行(45=府知事)らも批判する一方、立民側は「都構想の議論に興味を持ってもらえるならと作ったもので、大阪のイメージどうこうとは書いていないし、何かをやゆしたものではない」と反発した。

 そんなヒョウ柄やトラ柄の服装のオバちゃんのイメージで名前が浮上したのが、ご当地アイドルグループの「オバチャーン」だ。見た目はまさにそのまんま。チラシについて、SNS上で「オバチャーンやんw」などの声が上がるのも当然か?

 平均年齢66歳以上、「大阪の〝絡んでくるアイドル〟」がコンセプトのオバチャーンは、ライブやCD発売などのアイドル活動のほか、大阪府警の特殊詐欺撲滅や、大阪市消防局の火災予防などCM出演も多数。昨年のG20サミット首脳会議にも〝絡んで〟きて、海外メディアにも報じられた。

 関西圏以外でも活躍し、7月に発売されたロックバンド・TUBEのアルバム「日本の夏からこんにちは」の発売告知CMにも出演していた。

 オバチャーンの運営関係者は「急に話題になってると思ったらね。とばっちりを食らってます」と苦笑い。メンバーにも大阪市民がおり、「賛成、反対はメンバーでも分かれると思うんです。揚げ足を取ってないで、本当に大阪のためになるのはどっちなのかっていう議論を深めて、おばちゃんにも分かるような言葉で伝えてほしい」と大人の対応をみせた。

 その一方で「おばちゃんのことで議論してもしゃあないでしょ。〝絡んでくるアイドル〟ですけど、都構想自体の議論はともかく、そこは絡みたくない」とも。多くの大阪市民が場外乱闘にうんざりしている。