自民党は杉田水脈衆院議員(53)の性暴力被害をめぐる「女性はいくらでもうそをつける」という失言の対応に手をこまねいている。

 本紙昨報通り、性暴力に抗議する「フラワーデモ」主催者らは13日、杉田氏の辞職を求め、13万6400人分の署名を携え、自民党の党本部を訪れた。自民党は事前に連絡がないことを理由に署名を受け取らなかった。

「二階俊博幹事長は杉田氏本人の問題だとして処分については言及していません。抗議署名を受理して、党が杉田氏に『辞職しろ』とは法律上できませんからね」(自民党関係者)

 抗議署名は菅義偉首相(71=自民党総裁)宛てに郵送されたが、自民党としては杉田氏への口頭注意で幕引きする方針に変わりはない。

 そんな中、新たな情報を本紙は入手した。杉田氏の失言は9月25日、党本部で非公開で行われた女性に対する暴力や性被害に関する対策の会合での発言だったが、その場に最後まで居合わせた自民党議員はこう話す。

「杉田氏の発言はネット上で批判が殺到してから知った。出席者は議論に集中して覚えていなかった。出席者が杉田氏の問題発言を認めたと報じられたが、疑わしい。非公開ですからね。記者が会場の壁に録音機を貼り付けて音声が入っていて、それが表沙汰になった可能性があります」

 杉田氏は今月1日に自身のブログで謝罪して以降、沈黙を続けているが、臨時国会が26日に召集されれば、公の場に姿を現すことになり、抗議活動などのヒートアップが予想される。

「党内には杉田氏の発言を擁護する議員もいて、対応を協議したともいわれています。だが、なぜ問題発言をしなければならなかったのか、経緯を杉田氏自ら説明しないと収拾がつかない」(自民党議員)。騒動はまだ収まりそうにない。