コロナ禍とはいえ、公演をやめるわけにはいかない。ミュージカル「RENT」(11月2日~12月6日=東京・日比谷シアタークリエ、12月11~12日=愛知県芸術劇場)は、稽古から異例ずくめだ。

 1990年代のニューヨークを舞台に、エイズや貧困などの問題に直面しながらも、愛や夢を信じ、今を懸命に生きる若者のストーリー。男性2人組ユニット「CHEMISTRY」の堂珍嘉邦(41)は2015年、17年に続き、HIV陽性者で元ロックバンドのボーカルという役柄を演じる。

 演出家は現在海外にいるため驚くことに稽古もリモートで行っているという。堂珍は「直接、演出家と会って稽古できない分、(過去にRENTを)経験しているキャストが何か補えるものがあればいいと思っている」。

 キャストの中では“ベテラン”のため、異例の稽古現場を積極的に引っ張っているのだという。

 さらに「自分にとってたくさんのターニングポイントになっている作品。今年は、最後までちゃんと走り抜けられたら」と意気込んだ。

 作品は96年の初演以来、ニューヨーク・ブロードウェーで12年のロングラン上演。日本版は今年で8回目の上演となるが、コロナの影響もあって、上演スケジュールは昨年と比べて縮小。主要キャストはすべてダブルキャストで配役されている。

 芸能関係者は「コロナの影響でいつものような稽古はできない。それでも例年どおり、いや、それを超えるクオリティーのミュージカルにしようと、キャストも気合が入っている」。大きな期待が集まっている。