伊勢谷友介被告も仰天?タイで「巨大大麻工場」摘発 〝マスターK〟の正体とは 

2020年10月07日 11時30分

タイで栽培される大麻草(顔写真は伊勢谷被告)

 伊勢谷友介被告もビックリ? タイ北部チェンマイで3日、違法な“巨大大麻工場”が摘発された事件で、逮捕された日本人の男の大麻との関わりが浮かび上がった。タイは官民一体となって医療大麻を推進しているほどの“大麻大国”。医療や研究目的での大麻使用は合法化されている。とはいえ、そんなタイでも日本人による大麻の大規模生産は珍しく、現地でも話題になっているという。

大量の大麻を違法に栽培・加工し、販売していた疑いで逮捕されたのは、小宮克久容疑者(41)とタイ人4人。工場の3階で栽培、2階には大麻からオイルを抽出する設備が整っていた。押収された大麻は100鉢以上。

 小宮容疑者はツイッターで「MasterK」と名乗り、「タイ政府公認の大麻栽培グロワーです」を自称。大麻の栽培について熱心につぶやいていた。

 取り調べでは「研究目的であり、販売するためではなかった」と容疑を一部否認している。現地日本人社会では有名な存在で、チェンマイの北70キロ、ミャンマー国境に近いチェンダオで、7年前からコシヒカリの栽培を行っていた。

 同容疑者は、タイで日本米を根付かせたいと日本から種もみを持ち込み、標高がやや高く涼しいチェンダオで広大な農地の開拓を始めた。地元農家と協力し、農薬や化学肥料をできるだけ使わないコシヒカリ作りに奮闘した。

 そんな“農業熱”が高じ、チェンマイ大学大学院に入り、オーガニック栽培についての専門的知識を学んでいた。実際に逮捕時も「大学院生」と名乗った。ただ、知人である現地在住の日本人によれば「数年前からチェンダオでも大麻を栽培していると周囲に語っていた」という。

「丹精込めて育てた自信作の大麻が、オランダの世界マリフアナコンテスト『カンナビスカップ』で『いい順位を取った』とか、『欧米にも顧客がいる』とか、『タイのマフィアにバックがいて捕まることはない』などと吹聴していた」(同)

 事件の背景にあるのが、官民挙げての医療大麻推進だ。

 タイでは一昨年、医療や研究目的での大麻使用を合法化した。今年1月には、医療大麻を専門に処方するクリニックも開業。大麻の葉を模したゆるキャラ「ドクター・ガンジャ」で、政府の方からアピールしているほどだ。

「政府の取り組みは、タイに住む日本人にも波及している。日本人が出資し合い、医療大麻目的の観光客を受け入れる旅行会社をつくる動きも出ている。栽培許可を得ている地元農家と協力し、合法的に『大麻ツーリズム』を進める風潮は、地元民だけでなくタイ在住の外国人にも広がってきた」と言うのは、現地在住ライター高田胤臣氏だ。

 タイでは今、医療大麻はビジネスチャンスなのだ。新型コロナウイルス禍が終息して入国制限が緩和されれば、この流れは一気に加速しそうな雲行きだ。
 とはいえ現段階で大麻を取り扱えるのは、ごく一部の認可された医療・農業関係者のみ。

「小宮容疑者は周囲に、『タイ政府の認可を受けた初めての日本人』と語っていたそうだが、そうした免許を外国人が取得できるとは思えない」と前出の現地在住日本人は指摘する。

 タイでは、覚醒剤の密輸や販売目的所持に死刑が科せられることもあるが、大麻は比較的量刑が軽い。

「単純所持なら1年程度の禁錮に執行猶予がつき、栽培や販売でも5年前後の禁錮刑になるのでは? タイで大麻絡みの事件はよくあるが、日本人が大規模生産していたのはかなり珍しく、地元メディアも食いつき、大きく報道されている」(同)

 日本でも、伊勢谷被告が入手ルートを明かさなかったにもかかわらず、保釈されるなど、大麻犯罪への対応の甘さが問題になっているが、厳罰化に向けた議論が必要かもしれない。